相続人が数人の場合の遺産の帰属

相続人が数人いる場合には、民法では相続財産は、その共有に属すると規定しています。この遺産の共同所有の形態については学説上争いがあり、共有説と合有説とが対立しています。民法上も合有と考えたほうが都合がよい場合と共有としなければ不合埋な場合があって決め難くなっています。結局のところ抽象的に共有か合有かを議論することは無意味なことであって、民法のもとにおける遺産共有は、典型的な合有でも共有でもなく、いわばその中間的なものです。大切なことは民法のもとで違産分割前の各共同相続人が遺産につきどのような権利を持つと解すべきかを具体的に検討することと、考えるのが妥当な見解といえます。
共同相続財産の管理については規定がないので、所有権の共有規定を類推適用することになります。つまり各共同相続人は、保存行為は単独で、管理は相続分の割合に応じて過半数で行い、管理費用は相続財産の負担になり、全員の合意があれば相続財差の変更、処分および管埋を委託することができます。なお管理についての注意義務は軽滅されています。

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分割とは、相続財産における共同相続人の共同所有関係から、各自の相続分に応じて財産の帰属を決定する一種の清算行為です。共同相続人はいつでも遺産分割の請求ができるのであって、分割自由の原則があるといえます。今日の私有財産制度は、個人的な所有を建前としているので、共同相続における遺産の共同所有関係も、その遺産を分割するまでの共同管理という限定的目的をもつ過渡的現象であり、結局は分割によって解消されるのです。この意味では、遺産の分割も、結局は共有分割と同じになりますが、共同所有者相互間に近視関係があり、また相続財産に含まれる個々の財産自体の即物的分割ではなく、相続財産総体の価値的な分割であるので、だいぶその内容が異なります。この点に着眼して、遺産分割の法律関係を考察しなければなりません。
遺産分割の方法には、遺言による指定分割、当事者による協議分割、家庭裁判所による裁判、調停分割の3種があります。遺産の分割は、遺言による指定分割の措定があればまずこれに徒い、共同相続人全員の協議があれば、当事者による協議分割の協議分割がなされます。現物分割でも換価分割でも代賞分割でもよく、必ずしも相続分率に即応した分割でなくてもかまいません。極端に、ある相続人の取得分ゼロということも、協議が適法であるかぎり許されます。分割協議が成立すると、通常分割協議書が作成され、これによって相続による所有権移転登記や有価証券の名義書換えがなされます。遺産の分割につき共同相続人間に協議が調わないとき、または協議できないときは、その分割を家庭裁判所に請求することになります。家廷裁判所は、まず事件を調停に付し、調停が成立しないときは、分割の規準に従い審判によって分割をすることになります。

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