遺産の権利関係

相続人は、被相続人の財産上の地位を承継するために、その結果として次ぎのような一般的効果が生じます。
相続人は承継した権利を行使することができ、また承継した義務は履行しなければなりません。ただし、相続の放棄、限定承認、財産分離など法律に特別の現定があるときはこの限りではありません。
相続開始前に相続人と被相統人との間に生じていた権利義務は混同によって消滅します。ただし限定承認、財産分離の場合は別になります。
相続人の承継した財産は、原則として相続人の固有財産と合してその総財産を形成します。したがって、被相続人の債権者および相続人の債権者は、この総財産から弁済をうけることになります。ただ、限定承認、財産分離、破産の場合には待別に別個の財産として扱われることになっています。なお、被相続人と相続人の共有財産は、相続により相続人の単独所有財産となります。
財産分離とは、相続の開始によって相続財産と相続人の固有財産が混合することを防止するために、相続開始後に、相続債権者もしくは受遺者、または相続人の債権者の請求によって相続財産を特別財産として管理、清算する手続です。これは相続財産と相続人の固有財産の混合によって、ある場合には相続債権者または受遺者の、またある場合には相続人の債権者の被る不利益を防止するためのものです。例えば相続財産が2億円、相続人の固有財産が1億円で、Aが被相続人に対し1億6000万円、Bが相続人に対し1億6000万円の債権を有していたとすると、決済の結果Aが1000万円の損失を被ることになります。このような場合に財産分離を行って、両財産を別個に清算してこれらの者を保護しようとするものです。財産分離には、相続債権者または受遺者の請求による第1種財産分離と、相続人の債権者の請求による第二種財産分離とがありますが、実際には破産手続が先行し、あまり利用されていない制度となっています。

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