動物の騒音

動物を飼うことに対して、その好悪の感情によって差があるにしても、ひしめくように家が建っている都会では、隣近所に迷惑がかからないように飼うことは、お互いに社会生活を営むうえで必要な心がけです。動物の鳴くという行動自体は、動物のなんらかの要求か反応でしょうが、飼主は動物が勝手に鳴くのだから自分は知らないとはいえません。自己の管理する動物が他人に被害を与えた場合は、その動物にふさわしい相当の住意を払って管理していなければ、損害賠償の責任を問われます。
騒音規制法では、動物騒音について定めていませんが、動物の保護及び管理に関する法律では、動物の所有者又は占有者は、その動物を適正にに飼養し、又は保管することにより、人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならないと定めています。さらに、この法律に基づき、犬及び猫の飼養及び保管に関する基準が定められていますが、一般原則として、犬又は猫の本能、習性、生理を理解し、家族同様の愛情をもって保護すること、人の生命、身体、財産に対する侵害を防止し、生活環境を害することのないよう責任をもって飼育に努めることなどを定め、危害防止については、放し飼い防止のほか、飼育目的に応じて適正な方法でしつけを行い、特に飼主の制止に従うよう訓練に努めること、と定めています。多数の犬を飼っている場合、一匹が鳴きはじめると全体が騒ぎ出したりしますが、飼主は近燐に迷惑のかからぬよう、しつけるべきです。
軽犯罪法は、人畜に害を加えることの明らかな犬を解放したり、監守を怠って逃がした者を処罰の対象としていますが、鳴き声を制止しないことについては直接の定めはありません。犬の世話をしないで放置し、吠え立てるままにして、そのため近隣に迷惑をかけているような場合は、公務員の制止をきかず、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出し、近隣に迷惑を及ぼし、という禁止条項にあてはまることも考えられます。こういう場合は警察官に制止してくれるよう頼むことも、問題解決の一方法です。
地方自治体の公害防止条例にも、動物騒音について直接定めたものはないようです。しかし、夜間の静穏保持を住民の責務として一般的に現定している自治体もあり、一般騒音についても規制基準をもうけて義務付けている自治体もあります。しかし、通常犬の鳴き声程度では公害とはいえず、飼育する犬の数が多くて、通常のペットとしての飼育とはいえない程度に達し、その鳴き声による被害が相当範囲に及んでいる場合に公害といえるのです。
公害とみられる場合、都道府県公害審査会に斡旋、調停、仲裁を求めることができ、住んでいる住所地の簡易裁判所に調停を申し立てることもできます。
損害賠償の訴訟を起こすことも可能ですが、訴訟では隣人の犬の管理方法に過失があるかどうか、被害が客観的にみて受忍限度を超えているかどうか、などについて綿密に証拠立てることが要求されます。

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