騒音の規制

音は人の生活に付いて回るものですが、度が過ぎると神経を苛立たせ、ときには聴力障害を起こすことさえあります。特に日本の都市のように人口が過密な所では、経済的に豊かになるにつれて騒音や振動を発生する機器が増えて、被害は一層深刻になります。このような社会的な事情を背景として、今日では、特定の騒音や振動は公害の一種とされ、国や地方公共団体によって規制されています。
騒音や振動は、人の権利や生活上の利益を侵害するため、私人間の紛争の原因ともなり、民事裁判の対象となります。
昭和42年に制定された公害対策基本法は、近隣を超えて相当範囲にわたり被害をもたらす騒音や振動を公害として、国や地方公共団体の公害防止施策の対象としています。この法律によると、政府は、騒音についてはその施策目標として、人の健康と生活環境を守るうえで望ましい基準、環境基準を定め、また騒音発生源を管理する事業者が守るべき基準、規制基準を定めるなど、必要な措置を講じ公害防止に努めなければなりません。振動については、環境基準の定めはありません。しかし事業者に対する規制措置については騒音と同じように公害防止のため必要な措置を講じることになっています。

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この公害対策基本法を受けて、騒音については騒音規制法、振動については振動規制法が成立しています。
騒音の環境基準は政府の定める施策目標であって、地城および時間帯によって35ホンから60ホンの範囲で基準値が定められ、また自動車が通る道路に面する地域では、45ホンから65ホンの範囲で基準値が定められています。この環境基準は航空機、鉄道、建設作業の騒音には適用されません。航空機や新幹線については待別の環境基準が定められています。
騒音規制法は昭和43年12月1日から施行されました。環境基準と異なり、具体的に騒音を規制することが目的です。しかし全ての騒音に適用されるのではなく、都道府県知事から指定された地域で、特定の工場や建設作業の騒音について遵守すべき基準を設定して規制しています。
工場騒音については、規制基準は、4つの区域と3つの時間帯に分けて定められており、工場の敷地の境界線で測定して最低40ホン、最高70ホンの範囲で都道府県知事が指定します。しかし学校や病院等特に静穏を必要とする施設の周囲50m以内では、これより5ホンだけ低い規制基準を定めることもできます。環境基準の場合と異なり、基準を守らせるための措置が定められており、公の機関による騒音測定、違反業者に対する改善命令、命令違反に対する罰則適用等の制度があります。
建設作業騒音については、作業場所の敷地の境界線から30mの地点で測定して、騒音発生源である機械の種類によって75ホンから85ホンを基準値としています。その他、夜間や休日の作業制限があります。工場騒音と同様に改善命今、命令違反に対する処罰の制度もあります。
自動車騒音については、個々の自動車の音の大きさの許容限度を定めることになっており、自動車の種別により、車両中心線から直角に7m離れ、地上1.2mの高さで測定して、70ホンから80ホン、加速走行騒音は7.5m離れて72ホンから86ホンの範囲です。
ただし車の騒音で生活環境がひどくそこなわれる場合には、一定の基準により都道府県知事が公安委員会に、道路交通法による措置を要請することができます。飲食店の深夜営業や拡声器放送の騒音については、必要に応じ地方公共団体が条例等で対処することとされています。
騒音の規制法は具体的な規制措置をほとんど都道府県知事に委ねていますが、それだけでなく、地域の自然的、社会的案件に応じて、この法律とは別の見地から、条例で必要な規制をすることを妨げない、としています。条例は地方公共団体の議会が定める法規ですから、自分の住む都道府県や市町村がどんな条例を制定しているか、よく調べてみる必要があります。

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