見積財務諸表の機能

見積財務諸表はどのような機能をもっているでしょうか、見積財務諸表は、単なる飾りものではなく、実質的機能をもつものとして認識されなければなりません。見積財務諸表は、一般に予算制度における総合予算として持たれるのですが、それは単なる総合表として結果の表示にとどまるのではなく、その積極的な意義が認められるべきです。財務諸表の役割は、企業の業績や財政状態を総合表示するものです。したがって、見積財務諸表は各部門予算を内容とし、それらによって内容づけられたものとして考えるとともに、また逆に見積財務諸表へとまとめてみて、その結果が総合的観点から意図した状態を示していない場合には、もう一度各部門予算の再検討を求める機能をもつものと考えなければなりません。要するに、見積財務諸表はその一面においては、各部門予算の積上げによって作成されるものですが、他面、見積財務諸表それ自体としての包摂的な計画機能を持つものです。換言すれば、見積財務諸表によって示される総合的な業績や財政状態の検閲と計画とが、そこで行なわれることを意味しています。

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見積財務諸表の機能である統制機能は、どのように考えられるべきでしょうか。見積財務諸表は、それ自体による直接的な統制機能はもたないというべきです。つまり、直接的な統制は各部門予算によって行なわれ、その結果が見積財務諸表へ反快するものとして理解されます。しかし、各部門予算の執行担当者がそれぞれに課せられた予算を達成しえない場合には、見債財務諸表に示されている計画や目標は実現しえなくなります。したがって、それぞれに課せられた予算を達成するという意識のもとに、各部門予算の統制に予算執行担当者を当たらせるという機能は、間接的には認められます。それから、見積財務諸表のもつ統制機能に関連する機能として、見積財務諸表と実績財務諸表の比較による総合的な業績評価の機能も期待することができます。
実績財務諸表を基礎として、これに若干手をいれて見積財務諸表を作成するというやり方がとられることがありますが、このような作り方は望ましい方法ではありません。見積財務諸表は、そのものとして、その基礎や内容をなす諸取引の上にたって作成されなくてはなりません。
見積財務諸表の作成のためには、売上高、売上原価、販売費一般管理費、営業外損益の予算ないし予想を見積損益計算書に結合するとともに、現金収支および残高、売掛債権や買掛債務の在高、原材料在庫、仕掛貧在庫,製貧在庫などの予算ないし予想をもって見積貸借対照表の基礎たらしめねばなりません。
次に見債財務諸表の作成に当たっては、予測、予想、予算といったものが整備されなければなりません。すでに述べたように、実績を尊重して作成するのではなく、予測に基づいて作成されるものでなくてはなりません。なおこの際、予測の内容や性質によって、いわゆる見積財務諸表といわれるものも、これを2つに区分しうると思われます。つまり、その1つは予算統制における総合予算として位置づけられた見積財務諸表であり、他の1つは、予算ほどの拘束性はみとめずに、単なる予測、見積として考えるものです。
広義の見積財務諸表には以上のような2つのものがあると考えられますが、このいずれであるかによって、見積財務諸表の本質や機能も異なるものとなることはもちろんです。そして、より実質的かつ有意義なものとして、予算制度に位置づけられた見積財務諸表について、説明しました。
見積財務諸表の問題点の最後に、それが果たさねばならない調整機能について指摘しておきたいと思います。それは、見積財務諸表の作成に当たっての部門予算との調整および見積損益計算書と見積貸借対照表との関連についての調整を意味するのです。このような調整機能をもった見積財務諸表の作成こそ必要なのです。

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