監査報告書の見方

監査報告書の主要部分は意見の区分といわれる部分ですが、これは監査を行なった公認会計士あるいは監査法人が監査を行なった結果を意思表示しているわけです。
この意見の区分には、無限定意見、限定意見、不適正意見、意見の差控え、などがありますが、公認会計士の監査報告書を使って財務諸表をいかにみるか、あるいはどのように分析するかということになると、まず無限定意見の場合には適正意見であるわけですから、財務諸表はそのままの形でみることができます。それ以外に、不適正意見では、公認会計士が監査の結果、財務諸表は正しいものではないとの判断を下したものですから、その財務諸表は使用することができません。また、意見の差控えについても、公認会計士が適正、不適正の意見を述べることができないという判断に立ったものですから、やはりその財務諸表は使用することができないようです。したがって、監査報告書を財務諸表の分析あるいは判断の資料にするのは、限定意見が監査報告書に書かれている場合と思われます。限定意見の多くは、上記○○を除きとか、下記○○を除外してとかいう形で行なわれています。

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限定意見は、会計処理に関する除外事項、継継性の変更に関する除外事項、表示に関する除外事項の3つがあるわけですが、いずれの場合においても、除外事項がつけられた場合には、必ず財務諸表全体に与える影響金額を書くことになっているため、財務諸表をみる場合、それらの事項を具体的数字のうえで修正した数字でみなくてはなりません。
財務諸表のある項目が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従っていないということについて限定意見がつけられたわけですから、限定意見に従って、その項目を加算するかあるいは減算するかの修正を行なってから、財務諸表をみなくてはなりません。この場合注意しなければならないことは、その相手科目の修正をもする必要があるということです。
その主なものをあげると、次のようなものがあります。

諸引当金の会計処理
 価格変動準備金の過大計上と剰余金性
 研究開発引当金当の余剰金性
 法人税等引当金の過大計上と剰余金性
 貸倒引当金の過大計上と剰余金性
 退職給与引当金の計上不足
 その他引当金あるいは準備金等の過大計上と剰余金性または計上不足

減価償却の会計処理
 過年度、当期任意超過償却費の計上
 臨時償却費等を当期費用に計上

期間損益の配分
 賞与引当金の計上不足
 売上高、売上原価の計上不足
 未払費用、前払費用の計上不足
企業会計においては、処理の原則とか手続は毎期継続して適用しなくてはならないのですが、正当な理由に基づく変更にしろ、不当な理由に基づく要更にしろ、財務諸表をみる場合は、今期の財務諸表を継続性の変更がなかったものとして修正して前期以前の財務諸表と比較するか、あるいは前期以前の財務諸表を今期と同様の修正をして比較しなくてはなりません。
その主なものをあげると、次のようなものがあります。前払費用等の処理の発生主義から現金主義への変更。あるいは逆の場合。引当金あるいは準備金の繰入率の変更。
会計処理の方法が誤っていたり、前期と異なった処理をしたというのではなく、財務諸表の表示方法が誤っている場合が多いので、財務諸表をみる場合には、監査報告書に従って正しい組替えを行なわなければなりません。その主なものをあげると、次のようなものがあります。利益剰余金性引当金の負債表示価格変動準備金、法人税等引当金、貸倒引当金、待別減価償却引当金、退職給与引当金。短期債権、債務と長期債権、債務の混同

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