監査報告書の内容

証券取引法第193条の2で規定されている財務計算に関する書類は、公認会計士または監査法人の監査証明を受けなければなりません。この監査証明は、具体的には、監査を実施した公認会計士または監査法人が作成する監査報告書によって表現されます。監査報告書は、次の事項を簡潔明瞭に記載し、作成の年月目を付して、公認会計または監査法人が証明することになっています。
実施した監査の概要
財務諸表が会社の財政状態および経営成績を適正に表示しているかどうかについての意見
公認会計士と被監査会社との間の利害関係についての有無
以上の3つが監査報告書の大きな区分です。
実施した監査の概要は概要区分といわれていますが、その内容は、次の2つを含んでいます。つまり、監査の対象となった財務諸表の範囲で、通常、監査を行なった事業年度と財務諸表の内容の記載があります。次はいかなる監査手続がとられたかを示すもので、一般に公正妥当と認められた監査基準に徒ったかどうかを記載することになっています。
監査手続には、通常実施すぺき監査手続と、そのときの事情に応じて必要と認めた監査手続とに区分されますが、その双方が実施されたか否かを記載することになっています。そして、何らかの理由で、実施すべき、あるいは必要と認めた監査手続が実施されなかった場合は、その旨、およびその理由を記載することになっています。

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財務諸表が適正か否かは意見の区分といわれるもので、監査報告書の主要部分ですが、この内容は、次の3つに分かれます。
企業会計の基準に徒っているか否か
継続性が守られているか否か
財務諸表の表示方法が規則に従っているか否か
企業会計の基準に徒っているか否かということは、財務諸表の各項目が、一般に公正妥当と諸められる企業会計の基準に徒って処理されているかどうかについて意見を述べるということです。もし、重要な項目について、基準に徒っていないことがわかれば、その旨となぜ徒っていないと判断したかの理由を、さらに、それが財務諸表全体に早えている影響金額を、書くことになっています。
継続性が守られているか否かということは、企業会計はその処理の原則および手続きを毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならないわけで、これが守られているか否かについて意見を述べるということです。もし、重要な項目について、継続性が守られていないような場合には、理由、影響金額等を書くことになっています。
財務諸表の去示方法が規則に従っているか否かということは、企業会計の表現は財務諸表規則の定める表示方法をとらなくてはならないのですが、それが守られているか否かについて意見を述べるということです。もし、重要な事項の表示方法が、規則に徒っていないと判断された場合は、規則どおりに表示した場合との相違について書くことになっています。
元来、監査は独立した第三者によって行なわれなければならないもので、監査人と被監査会社との間に監査業務以外の利害関係があってはならないわけです。
監査報告書は、監査人の意見が重要部分を占めるわけですが、その内容は、次のように分かれます。
監査人が一般に公正妥当と認められた監査基準に従って実施した監査に基づいて、財務諸表の記載が一般に認められた企業会計の基準に継続して徒い、かつ財務諸表の表示方法が適正であると認めた場合にのみ表明できる意見で、会計処理が好ましい状態で行なわれていたということを示します。
監査人が、会計基準、継続性、表示方法のある部分について適正でないと判断した場合は、○○を除き、あるいは除外という形で限定意見がなされます。限定事項が財務諸表全体に及ぼす影響が重要である場合は、次に述べる意見の差控え、あるいは不適正意見ということになりますが、重要であるか否かは監査人の判断によります。
不適正意見とは、財務諸表が一般に認められた企業会計の基準に従って適正に表示されておらず、したがって財務諸表がその会社の財政状態または経営成績を適正に表示していないという意見です。この場合,なぜ不適正であるかの理由を明瞭にしなければなりません。
財務諸表全体としての適正性について、意見を表明するに足る十分な確証が得られなかった場合には、意見を述べない場合があります。
例えば、監査範囲の著しい制約とか、財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす項目の金額や事項について末確定事項がある場合には、意見の差控えが起こってきます。

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