財務調査の意味

財務諸表、企業財務、財務管理、財務分析、財務調査等々、財務という言葉が広く用いられていますが、財務というのは、まず資本の調達と資本の運用であるといってよいと思われます。
資本の調達は、銀行などからの借入や株主の払込などによって行なわれるわけで、資本の調達とは何かについては、それほど問題はありませんが、資本の運用とは何か、資本の運用はどのように考えたらよいかということは、かなり難しい問題で、資本の運用については、2つの面があるといえます。1つは、材料費、労務費などの製造費や、広告宣伝費、荷造費、運送費などの販売費、役員、職員給料手当などの一般管理費など、様々な資本を使用、消費し、売上高などの取益で資本を回収して、利益をあげていくようにするということ、つまり、費用、収益、利益という面です。他は、材料代の支払、人件費の支払など、費用の支払、また設備代支払などの支払をし、また売上収入などの収入をあげていくようにするということ、つまり、支出、収入という面です。つまり、資本の運用とは、費用、取益、利番と、支出、収入であるということができ、また、そのように考えるべきであるといえます。したがって、資本の調達を含めていうと、資本を調達して、費用、収益という形で運用して利益をあげていくようにすることと、資本の調達は、原則として収入となるため、原則として収入という形で調達した資本で、様々な支出をし、収入をあげていくようにすること、これが財務であるといえます。そのような意味で、損益と収支、収益性と流動性が財務であるともいえるわけです。

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財務調査というのは、このような企業の財務の状態を調査、倹討することであるといえます。また財務分析という言葉も、よく使われています。調査とは何か、分析とは何か、また、調査という場合には、誰が調査するのか、分析という場合には、誰が分析するのか、といったようなことも問題になりますが、財務分析も、財務の状態を分析、検討することであるため、財務分析と財務調査は同じものであるといえます。
貸借対照表や損益計算書などを財務諸表といいますが、財務諸表は、企業の財務の状態を表示するようにした諸表ですため、財務諸表の調査、分析も財務調査であり、財務分析です。財務調査、財務分析といえば、すぐ財務諸表の調査、分析が考えられるほど、財務諸表の調査、分析が広く行なわれています。しかし、財務調査、財務分析としては、そのような決算の財務諸表の調査、分析のほかに、毎月、毎週などの財務資料を調査、分析することがあります。その点で、財務調査、財務分析のほうが、財務諸表の調査、分析より広いといえます。
上述のように、財務とは、損益と収支であるともいえます。よく勘定合って銭足らずといわれていますが、これは、損益計算では、勘定が合って利益が生じているが、収支計算では、支払超過になって現金および預金が減るということです。反対に、勘定合わないで銭余る。つまり、損益計算では欠損になっていますが、収支計算では、収入超過になるというようなこともあります。損益と収支とは違ったものなのです。そのような損益と収支とが、財務でもあるわけです。
まず損益の面では、企業は、もちろん利益をあげていこうとします。また企業の維持、存続、特に成長、発展のためには、利益を必要とします。したがって、必要な程度において、利益をあげているかどうかを分析、調査すること、つまり損益の状態、収益性の分析、調査が必要です。
また収支の面では、収入と支出とがバランスしないと、支払不能になったりします。したがって、収入と支出とがバランスしているかどうか、材料代支払、人件費の支払など、また借入金の返済など、様々な支払ができるかどうかを分析、調査すること、つまり、収支の状況、流動性の分析、調査が必要です。
このようにして、財務調査、財務分析では、収益性と流動性の2つを調査、分析することになります。それでは、財務の調査、分析では、いわゆる生産性は調査、分析しないのかという疑問が生じてきます。生産性というのは、財貨の生産、販売が効率的に行なわれているかどうかということですから、収益性とは違ったものです。しかし、生産性が高くなれば、原則として収益性も高くなるというように、生産性は収益性と不可分の関係にあります。また貨幣経済の時代では、財貨の生産、販売には、収入支出をともないますから、生産性はまた流動性とも不可分の関係にあります。この意味で、財務の調査、分析では、生産性を調査、分析することができ、また必要です。
財務諸表は、企業の活動および状態を写し出したレントゲン写真であるといわれます。まさにそのとおりであって、貸借対照表は、企業の状態を数字に写し出したもの、損益計算書、製造原価報告書は、企業の活動を数字に写し出したものといえます。財務諸表などの財務資料、財務情報は、このようなレントゲン写真なのです。レントゲン写真をみると、人体に故障あるかどうか、また、どこが故障しているかがわかると同じように、財務諸表などの財務資料をみると、企業に故障があるかどうか、また、どこが故障なのかがわかるはずです。財務調査、財務分析は、このために必要なのです。ただ、レントゲン写真をみる場合でも、人体はどのようなものか、どのようになっていれば正常かといったようなことがわかっていなければ、人体の故障を知ることができないのと同じように、財務諸表などをみる場合でも、財務とは何なのか、また財務の正常の姿はどうなのかといったようなことを心得ておかないと、企業経営の良否などがつかめないわけです。

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