立地条件の適否の判断

立地とは、工場、商店、住宅などが占めている場所のことです。工場立地といえば、工場の経営活動の行なわれる場所をいいます、ところで、場所は気侯の良否とか、交通機関の有無など、その具体的な資質が互いに他の場所とは異なり、したがって、場所が違えば、工場経営に対して違った影響を及ぼすはずです。このように、工場経営に対して他の場新とは違った影響を及ぼすある場所の性質あるいは状態を、工場の立地条件といいます。
工場の場所をひとたび決定すれば、その後において立地案件を変更することは困難で、また工場の移動も、その規模が大きくなるにつれて容易ではなくなります。したがって工場経営において、立地条件に基づく諸経費は固定的なものとなるために、もし立地条件が不適当な場合は、機械設備、生産方式、工場管理などの改善を行なったとしても、原価が割高となり、立地条件が適切な他の工場と競争できない事態となりかねません。信用調査において立地条件を検討するのは、それが,、その工場の仕事にとって適当かどうか、それが原価へどのように影響しているかを調べて、同業者との競争力を判定する1資料とすることにあります。

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工場経営に影響を及ぼす立地条件としては、種々考えられますが、一応、自然的、地理的条件と社会的、経済的条件に大別して、それぞれの主要な条件を挙げてみると、これらの立地条件が工場経営に及ぼす影響度は、業種、規模によって異なるために注意が必要です。
自然的、地理的条件は、工場建設費を決定する重大な要素であり、また固定設備の維持、給排水、荷役、運搬などに対して、大きな影響があります。また、これらの諸条件のいかんによっては、廃水、廃ガス、残滓物などの処理に関して公害などを起こす可能陸もあります。
気侯、風土。一般に気温、湿度は、従業員の健康、ひいては作業能率、製品の品質、空気調節費用などのほか、固定資産の耐用年数に大きな影響があります。
用地。土地の高低、傾斜、河川、湖沼の有無、海岸線の長短、地盤の硬軟など、地形、地質の良否は、工場建設費や交通の便などに大きな影響があります。また、敷地面積にゆとりがあるかどうかは、今後の増設、拡張を進める上に大きな影響があります。
用水。一般に、工場は多量の水を使用しますが、特に化学工業においては、常時、良質、適温の水を多量に必要としますので、この条件の良否が企業経営の成否を制約することになります。
地価は廉価であることが望まれます。地価が高いと工場建設費が高くなるほか、増設、払張の場合にも大きな制約となります。
原材料や動力、これらのものは、容易に、迅速に、確実に、しかも低廉に入手できることが望まれます。工場は、原料産地の近くに建てられる場合と、逆に消費市場に接近して建てられる場合とがあり、これは、その原材料や製品の性質によって異なりますが、所要運賃の比較を中心として、購入、配給に要する時間や、経費などを考慮して、もっとも有利な場所が選ばれるのが普通です。
交通の便は運賃の低廉という形で現われますが、原材料の仕入より製品の販売までの時間の短縮をも可能にします。なお、労働力の確保、賃金などにも影響を与えることがあります。
労働力は量、質および賃金の3点から考えられます。その重要性は、企業の性質、規模の大小、生産工程などによって異なります。都会においては、通常、熟練工が得やすく、賃金も高くなりますが、地方、ことに農村においては、その逆となります。また同じような業種が集中している地域では、熟練工が得やすいが、その出入りが頻繁になります。近年は機械の発達が著しく、熱練の必要性が軽減してきたため、低廉な労働力の豊富な地方に立地する現象がみられます。
向上が消費地に近ければ製品輪送費の低減、需要内容の確実な調査研発が容易なばかりでなく、広告、宣伝にも有利です。
同種工場、または協力工場が近くにあれば、製造技術上ばかりでなく、材料の入手、販売、労働力の獲得などについて便利です。
国土計画、都市計画、地方開発計画および取締規模などにより、行政的に種々の保護助成策や、制限が設けられている場合は、企業経営に大きな影響があります。
以上に述べた立地条件は、固定的、永続的なものではなく、技術の発達、原材料、補助材料、動力などの新出現および転換、労働力の質的、量的転換、交通機関、通信機関の発達、消費市場の変化、拡大、経済政策の変化などの理由によって、変動するものであることに注意しなければなりません。例えば、電力については、以前には容易に十分に、安く得ることができた電力地帯があり、電炉工業などの電力依存工業では不可欠の立地条件となっていましたが、最近では大力発電所 の増設によって平均化され、立地条件としての重要性が簿れてきているのは、その好例といえます。
また、特定の立地条件の債極的な補充もしくは新たな造成も可能ですが、これにはおのずから経済的な限度があり、一般的にいって、大規模企業ほどその能力が大きいということがいえます。

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