企業の面接調査の必要性

企業調査に当たっては、先方から必要資料を提出してもらうことになりますが、提出資料の数字は必ずしも正しいものとはいえません。また、その会社の経営方針であるとか、個別方針、例えば、重点品種を何にしていくか、なぜその品種を選んだかというようなことは、提出された数字だけでは確信を持てない場合が多いものです。さらに経営者の人柄などは、提出された経歴書だけでは何とも判断しかねます。このように、企業調査には提出資料だけでは判断できない問題がたくさんあるために、これを補うために面接を行なわなくてはならなくなります。

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面接には、先方に出向いて行なう場合と、先方からきてもらって行なう場合とがありますが、いずれの場合にも十分に資料を検討し、疑問点を明らかにしておくことが必要です。
例えば、資料を検討した結果、A社に付する販売が増加傾向をたどり、B社に対するそれが減少傾向を示しており、一方、売掛債権回転期間が長くなっていることが分かったとすれば、販売先の変化が代金回収を遅らせているのではないかと考えられます。この場合には、売掛債権回転期間が延びたのは販売先が変化したためか、そうだとすれば代金回収を遅らせてまでA社に多く売るようにした理由は何か、そうでないとすればその理由は何か、市況悪化によるものか、というようなことが疑問点となります。その調査を行なう目的の全般にわたって資料を検討し、疑問点をあげていくわけですが、このような第1次の疑問点の解明に当たっての面接は、先方からきてもらって行なえばよいでしょう。きてもらう人は疑問点の内容によって経理関係、生産関係、販売関係等の責任者ということになりますが、内容が簡単な場合には、全般についてだいたいの知識のある人であれば1人でもよいでしょう。
このようにして、第1次の疑問点の回答が得られたら、これに基づきさらに資料の検討を行ない、矛盾するようなことがあれば、再び疑問点としてあげておきます。この段階までくると、次の面接はこちらから出向いて行なうことになります。
この面接は主として、次の3つの目的から行ないます。経営者の調査、第2次疑問点の解明、資料の確認がこれです。
ここでは、最高首脳部から各部門責任者、場合によっては労働組合幹部までが面接の対象となり、上記3目的の解明に必要な質問を行ないます。この面接の段階では、できるだけ後に疑問を残さないようにすることが必要であるために、十分に準備したうえで行なうことが特に大切です。
提出資料を検討し、先方と面接して、いちおう疑問点がなくなったとしても、それで十分というわけにはいきません。例えば、A社への販売に重点をおいており、それがその会社としては十分理由があり、また従来それで成功していたとしても、A社側には不満があり、今後購入を減少していく方針でいるかもしれないからです。
また、先方を調査した結果、どうしても解明できない疑問点が残ったような場合には、どうしても関係先に問合せをすることが必要になります。さらに、経営者の人柄、経営手腕等については、その人をよく知っている人に、それもできるたけ幅広く聞くことが、正しい判断のため必要となります。問合せの必要性としては、このほか種々の理由が考えられますが、要は正しく判断するために、直接先方を調査したことの裏付けをとるために行なうわけです。資料の不足を補う意味で行なう問合せも、正しく判断するために行なうものであるという意味で、このなかに入ります。
問合せ先としては、その会社に関係ある先がすべて入ってきますが、主なものとしては、業界団体、販売先、仕入先、親会社、取引銀行等があり、それぞれの責任者に話を聞くことが必要です。
問合せの方法には、文書による場合、電話による場合、訪問する場合の3つがあります。どの方法がよいかは一概にはいえず、先方の都合もあって、一方的にきめられない場合もありますが、一般的には、訪問が最も信頼の高い情報を得られ、文章がこれにつぎ、電話は最も信頼性が低いことになりますので、できる限り訪問の方法をとるべきです。
質問内容は、問合せ先により、また疑問点により異なってきますが、例えば、販売先であれば、従来の当社からの購入実績、今後の購入予定等が中心になり、取引銀行であれば、信用許容限度、融資内容、今後の取引見込等が中心になります。

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