信用調査

信用調査は、銀行、証券会社、興信所、投資家、販売先、仕入先、労働組合等様々な人によって行なわれますが、これらの調査主体はそれぞれ信用調査の目的を異にしています。したがって、それぞれの行なう信用調査の対象は、その目的に応じて若干の相違が生じてきます。
銀行は貸出を行なうことによって利益をあげることができるため、常時貸出残高があり、かつ、それが拡大されていくことが必要です。しかし、その貸出残高の内容が不良なものであり、利息収入がなかったり、あるいはそうなる危険性が高いものでは、いかに貸出残高が多くても利益に結びつかないことになります。したがって、貸出に当たっては、貸出しようとする先の内容に不安がないかどうか、つまり、その貸出金が期限に間違いなく返済されるか、利息は確実に支払われるか、という点について検討しなければならないことになります。つまり、貸倒防止の目的から、取引先の現在の状態および返済能力についての調査を行なうことになります・。さらに、銀行は貸出残高を増大させていくことが必要ですが、このためには新たな取引先の確保が必要であるほか、既存取引先に対する融資を安全に拡大していくことも重要です。このため取引先の将来について検討することが必要となります。つまり、融資拡大の目的から取引先の将来性について調査することになります。

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銀行は貸出を行なうことによって利益をあげますが、一方で、このために必要な資金を集めなくてはなりません。預金は資金調達の中心になりますが、この中で、一般預金のほかに、債務者預金およびこれに関連した預金が重要な部分を占めています。貸出した資金が預金としてその銀行にとどまっている限り、銀行はその資金を現金で用意する必要はありません。また、貸出先がこの預金を見返りとして小切手を振出しても、その受領先がその銀行の取引先であり、その銀行の預金口座に入金されるならば、銀行は現金を用意する必要はないわけです。このことは銀行の資金繰りからいっても、収益性からいっても有利な状態といえます。つまり、銀行は信用創造機能を十分に働かせれば働かせるほど、利益は大となり資金繰りも楽になります。そこで、その取引先がどういう相手と取引しているかということを調査することも、銀行の信用調査の一つの目的となります。また、取引先の資金繰りの状況が債務者預金残高を変化させることになるために、このような観点からも調査が行なわれることになります。
以上のように、銀行の信用調査は、貸出しの拡大、貸倒の防止、預金の獲得の観点から、取引先の従来ならびに将来にわたっての内容把握、貸出金の返済能力の把握を行なうことを目的として行なわれます。取引先の内容は、実体面として経営者、組織、生産、販売等、および財務面として取益性、流動性について、従来の実績、将来の見込を実査したり、問合せをしたり、財務諸表の分析をしたりして検討することにより把握されます。また返済能力は、個々の貸出金について返済できるかどうかを、資金使途に応じ資金繰り、損益見込から検討するとともに、担保、保証人についての調査をあわせ行なうことにより把握されます。なお、取引先の属する業界の大勢を観察し、取引先の置かれた環境についても検討するなど、大きな観点からの調査も必要です。

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