質権

質権とは、貸主がその貸金の担保として、借主又は第三者から受取った物を、貸金の弁済があるまで留置して、貸金の支払を間接に強制するとともに、借主が弁済しない場合には、その物の交換価値によって、優先的に弁済を受ける担保物権です。抵当権との根本的な差異は、抵当権は、目的物を借主の手許に留めて引続き利用せしめるのに反し、質権はこれを借主の手から奪って、その利用を禁ずる点にあります。したがって、抵当権は、その収益から借金が弁済されることができる物について設定されるほど、確実な地位を取得し、生産金融に適するのに対し、質権は、借主または、第三者について、主観的価値の大きいもの、それを取上げられることによる不自由の度の強いもの、主観的価値が極瑞に大であれば、交換価値はなくてもよいことにについて設定されるほど、その本質的機能を発揮します。

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の経済の発達は、債権、株式、社債、船荷証券、倉荷証券の有価証券および特許権、著作権等の各種無体財産権の発生を促し、質権は従来は動産質のみが重要であったのに対して、最近は権利質についても次第に重要性を加えることとなりました。これらの権利質は,借主に対して心理的圧迫を加えることは少いのですが、その交換価値によって充分貸金を確果することができ、近時商業金融に対し、とみに重要性を加えるに至っています。
質権は約定担保物権といわれ、貸主と借主または物上保証人との間の質権設定契約により設定されます。この契約は要物契約であって、質権設定の意思表示の合致の外に、目的物(質権)の引渡を成立要件とします。その引渡は必ずしも現実の引渡である必要はなく、簡易の引渡でも、指図による占有移転でもかまいませんが、占有改定により、引続き質権設定者の手許に留めておくことは許されません。質権設定後目的物を質権設定者に返還することは、動産質権の対抗力を失わしめますが、不動産質権については、何らの影響がないとされます。
質権の目的物はすべて譲渡性を有する特定物または財産権であって、質権設定者の所有物であるか、または質権設定について所有者の承諾を得たものでなければなりません。しかし質権設定者が他人の所有物を無断に質入したときに、質権者(貸主)が過失なくしてそのことを知らなかったときは、有効に質権が設定せられ、所有者は、その物の返還を請求できません。
質権によって担保される金銭貸借債権は現に存在することを必要としないので、期限附債権又は条件附債権でもかまいません。
貸主が借主との間に、将来継続的に貸付契約を締結し、または銀行が当座貸越契約を締結する場合のように、一定の継続的な貸借関係から現在および将来において発生する数多くの債務の総和を、一定の決算期において、一定の額まで担保するために、現在質権を設定することが認められることも、根保証と同様であって、これを根質といい、大審院判決もこれを認め、この場合には、根抵当と異り、被担保債権の最高限を決定することは不要であると述べています。
被担保債権の範囲は、設定契約において別段の定めをしない限り、貸付元金、利息、違約金、遅延利息、質物保存、質権実行の各費用等に及びます。

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