工場抵当

工場の所有者は、個人であると法人であるとを問わず、工場抵当法により、工場を抵当に供することができます。工場抵当法で工場というのは営業の為物品の製造若しくは加工または印刷若しくは撮影の目的に使用する場所です。製菓工場、製薬工場、製糸工場、映画撮影所は工場と認められます。冷凍設備のある倉庫、採掘事業を営まないで選鉱、精燥等鉱石の加工のみを目的とする事業場、給水を目的とする場所も工場とされます。また営業のために電気およびガスの供給を目的として使用される場所および放送法にいう放送の目的に使用される場所も工場とみなされます。中小企業協同組合、農業協同組合、水産業協同組合等の協同組合の工場も、工場抵当法の適用があるとされます。製菓販売店、薬局、養蚕場、映画館は工場ではありません。刑務所の労役場、学校の実習所、授産場等は、営業のためにするものでないため、工場抵当法の関係では工場と認められません。工場財団は、工場に属する土地および工作物、機械器具、電柱、電線、配電諸管、軌条その他の附属物、地上権、賃貸人の承諸あるときは賃借権、工業所有権等にょって組織されます。

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上記に述べたものの全部を含む必要はありませんが、土地建物等の不動産のみまたは機械器具等の動産のみでは組成できません。工場財団に属する土地建物は、工場の敷地又は敷地上のもののみに限りません。例えば工場から遠く離れた原料林や工場から数町離れた寄宿舎なども含められます。工場の煙突、煉瓦塀、船渠等は、工作物として財団の組成物件となります。ただし建物ではないため、建物登記簿に登記することはできません。
工場財団に組入れる土地建物、地上権、賃借権は、登記済のものでなければなりません。未登記のものであれば、まずその登記をすることが必要です。
商標権については通説は組入れを認めません。この外商号、営業上の債権、得意先関係、原材料、仕掛品、生産品、電話加入権等の財産権は、財団に組入れできません。工場財団に属するものは、同時に他の財団の目的とすることができません。工場財団に属せしめるに適する物件であっても、他人の権利の目的たるもの、または差押、仮差押もしくは仮処分の目的たるものは、工場財団の組成物とすることができません。一旦工場財団の組成物件となったものは、それを譲渡し、また所有権以外の権利、差押、仮差押もしくは仮処分の目的とすることができません。ただし、抵当権者の同意を得たときは、所有者は対団に属する物を、他人に賃貸することができます。
工場財団は、1箇の工場で組成することができるのはもちろんですが、各地に散在する数箇の工場を一括して1箇の工場財団に組成できます。数個の工場が各別の所有者に属する場合でも同様です。しかしこの場合にも、1つ1つの工場はその全部が同一人の所有に属することが必要で、土地建物は会社に、内部の機械器具はその会社の役員たる個人に属するときには、財団の組成ができません。財団を組成できる工場の規模については、別に制限がありませんが、普通大規模の工場に行なわれ、小規模の工場は、さらに手続の簡易な工場抵当法第2条以下第7条の規定によって、抵当に供します。これを狭義の工場抵当又は工場抵当法第3条の工場抵当と称し、工場材団をも含む場合を広義の工場抵当と呼んでいます。
狭義の工場抵当は、工場設備を一括し財団を組成し1箇の不動産として抵当権の目的となすものでなく、工場に属する個々の不動産に対し一々抵当権を設定するのです。土地建物に対する普通の抵当権と相違するのは、附加物、従物の外、それぞれの不動産の備付物に抵当権の効力が及ぶ点です。しかし不動産の附加物、従物、備付物以外には及ばないため、工場に属する賃借権、特許権その他抵当物件でない不動産に附加されたり備付けられたりしたものは、この抵当権の対象となりません。

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