不動産抵当権設定登記

抵当権の設定登記をするには、抵当権者及び抵当権設定者又はその代理人が所轄登記所に出頭し登記の申請をしなければなりません。もし抵当権設定者が登記に協力しないときは、債権者は訴訟をして勝訴の判決を得た場合に限り、単独で申請することが許されます。登記に関する申請書又は文書には、当用漢字として告示された文字を使用し、当用漢宇に該当支字のないものを仮名書とし、また地名等で登記上片仮名であるもの、例えば「九ノ内」を平仮名で書いても差支えません。ただ人名については、当用漢字表およぴ同字体表に該当のものがあっても、戸籍簿に記載された従前の文字を使用すべきものとされます。登記申請のために、債権者の方で準備すべき書類は次のものです。
抵当権設定契約証書 不動産登記法のいわゆる「登記原因を証する書面」です。万一何等かの事情で証書の作成をしないとき、または登記所に提出しないときには、登記申請書を正副2通提出します。
登記申請委任状 申請者が自ら申請手続をする場合には、勿論不要です。登記所が2カ所以上あるときには、登記所の数だけの委任状を用意します。この場合に各委任状には、抵当物件の全部を記載すべきで、その登記所の管轄に属する物件のみを記載するに止めてはなりません。登記は、各登記所につき共同担保の全部について申請する建前となっているからです。証書を提出する場合には、委任状に記載する抵当物件の表示は簡略にし、単に一筆のみを正確に表示し、外土地何筆建物何箇と記載すればよい。
抵当権設定登記を求める旨を明記すること。
資格証明 代表者または支配人の資格を証する登記簿謄本又は登記簿抄本、債務者の方で準備すべき書類には、債権者の場合と同様委任状及び代表者又は支配人の資格を証する登記簿謄本等がありますが、その外に次のものがあります。登記済権利証 抵当権設定者が、本人に間違いないことを証するためのものです。抵当権設定者が、保存登記により所有名義人となっているときは保存登記済証、所有権移転登記によるときは、登記済の売渡証とか、相続登記済証とかが、これに当ります。

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登記済権利証滅失の場合、もし登記済権利証が滅失したために提出できなければ、その登記所で登記を受けたことのある物2人で人違いのないことを証明して、提出に代えます。これを保証書と称します。登記済証書の滅失とは、書面が物理的に滅失した場合のみならず、登記済証書が第三者の手中にあって所有者がこれを取戻すことが一般取引の観念上不能だと認められる場合も包含します。
印鑑証明書 これも本人に間違いのないこと、書類が真正であることを証するためであり、不動産の所有者が抵当権の設定登記をするたびに提出しなければなりません。印鑑証明書は、市区町村長から下附を受けますが、法人の代表者についてはその代表者の印鑑を提出した登記所から下附を受けます。
債務の負担又は抵当権の設定につき、第三者の許可、認可、同意、承諾等を要するものは、これを証する書面を必要とします。その第三者が官公署以外の者であるときは、その資格を証する書面を添附しなければなりません。登記が完了したときは登記所は抵当権設定契約書に申請書受附の年月日、受附番号、順位番号および登記済の旨を記載し、登記所の印を押して抵当権者に還附します。また抵当権設定者に対しては、登記申請書に添附した登記済権利証に、申請書受附の年月日、受附番号、順位番号、抵当権者の氏名、住所、登記原因、その日附および抵当権登記済の旨を記載し、登記所印を押して還附します。登記は申請しただけで効力があるものでなく、登記簿に記入されて始めて第三者に対抗できることになる訳であるため、債権者としては登記が完全にできているか、あるいは抵当権を害する他の登記が予期に反して存在しないかを確める必要があります。登記調査は、登記簿謄本によって行うこともできますが、直接登記簿を閲覧するに越したことはありません。
土地建物および地上権を目的とする抵当債権者に限り、所轄登記所に申請して抵当証券の下付を受けることができます。これは抵当権の資金化を容易にするために認められたもので、抵当債権を抵当証券という有価証券に化体し、裏書によって債権並びに抵当権を簡単に譲渡する途を開いたのです。ただし、抵当権が根抵当権であるとき、抵当権について本登記がないとき、債権の差押、仮差押の登記、抵当権の処分禁止の登記、抵当権を他の債権の担保とした旨の登記があるとき、債権または抵当権に付けた解除条件の登記があるとき、抵当証券発行の特約がないときは、抵当証券の発行が許されません。抵当証券発行の特約は登記されている必要はありませんが、もし登記されていれば証券の交付申請に際し債務者、抵当権設定者又は第三取得者の同意を要しません。抵当証券の交付申請を受けた登記所は、債務者、抵当権設定者、第三取得者、抵当権者又はその順位の譲渡人及び先順位を放棄した者に対し、抵当証券の交付に異議があるならば一定期間内に申出るよう催告します。
期間内に異議がなく、異議があってもこれを理由なしとする裁判が確定したときは、登記所は抵当証券を下付します。その際抵当権者の登記済証、手形その他債権に関する証書には、抵当証券を交付した旨を記載した上登記所印を押して抵当権者に返されます。その後その手形は効力を有しないことになり、債権の行使は抵当証券によらねばなりません。抵当証券の交付に際し登記所から催告を受けた者が、抵当債権につき質権を有し、差押または仮差押をなし、抵当権に仮処分をなし、また債務者が抵当権者に対し相殺をもって対抗でき、しかもその弁済期が抵当権者の弁済期前に到来する債権を有するときは、抵当証券の交付に異議を申立証券の交付を妨げておかなければ、抵当証券の善意の取得者にその権利を対抗できません。抵当証券の所持人は、その権利の保全行使につき種々の拘束を受けます。 例えば弁済期を経過したときは、1月内に債務者に対し支払の請求をし、債務者が支払わないときは所持人は公証人又は執行吏に依頼してその支払がない旨の証明をして貰わねばなりません。また所持人は、債務者が元本の支払をしないときは3月以内に競売の申立をしなければならない。
以上のことを怠ると所持人は、各裏書人に対する償還請求権を失います。

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