抵当権の効力

抵当権の効力は、特に反対の意思表示をしない限り、抵当物に附加して一体となった物および抵当物の従物で、抵当物の所有者に属するものに及びますが、契約面に明記しておく方が後日問題が起った場合に好都合のことが多くなります。それ故抵当物件を証書に記載する際には、土地建物を登記簿のとおり表示した上、宅地建物に附属する畳、建具、電灯、瓦斯、水道設備、門塀、庭園木石、下水、石垣等現形のままともに抵当権の目的であることを明確にしておきます。土地が果樹園の場合には、地上の果樹の名称、樹齢、本数等を記載します。抵当物の利用上必要な権利や利益がある場合には、これについて特別な約定をする必要も生じます。例えば田畑抵当の場合の用水又は溜池引用権、宅地抵当の場合の隣地私道通行権、河岸地又は地先水面使用権、温泉引用権、工場抵当の場合の水利使用権等については、債権者に無断でその法規、解約その他権利の消滅を来すべき行為をしないこと、および抵当権実行に際しては抵当物の取得者に無償でその権利を譲渡することを特約します。宅地が他人の所有地に囲まれた袋地で、地役権の登記もなく、民法283条等による私道の推定も受けないときは、通路につき地役権の設定登記をさせ、抵当土地の間に以前道路又は下水敷であった官地が介入しているときは、その払下を受けて追加担保に差入れる特約をさせることが必要な場合もあります。

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借地上の建物については、地主から上記のような承諾書を徴し、契約書中に次のような約款を挿入するのが適当です。借主は、抵当物の敷地である下記の借地につき、次の各号を履行します。
借地の場所、借地の面積、土地の現所有者、借地の期間及び地代。
1.借主は借地期間の満了の場合には直ちに借地契約継続の手続をとる。
2.土地の所有者が異動したときは借主は直ちにこれを貸主に通知し、また借地権の内容に変更を生じる場合にはあらかじめ貸主に通知する。
3.借主は解約その他借地権の消滅又は変更を来すような虞のある行為をせず、又このような虞のあるときは借地権保全に必要な手続をとるのは勿論、建物滅失の場合にも貸主の同意がなければ借地権の転貸その他任意の処分を行わない。
4.万一競売又は公売によって建物所有権が移転する場合には、借地権も同様に建物取得者に現状のまま無償で継承する。
5.抵当建物が火災その他によって滅失し、保険金その他により借入金を弁済して足りない場合であって、借主が直ちに建物の建築をしないときは借地権の処分について貸主の指示に従い、その処分代金をもって貸主に対する債務を弁済する。
山林抵当の場合、土地に抵当権を設定したときは、特に除外する意思表示をしない限り、抵当権の効力が、立木登記をしていない地上の樹木に及びます。したがって林地のみに抵当権設定登記をなし、樹木については立木登記を省略しても差支えないようにも考えられますが、若し後日に至って所有権が立木登記をなし、これを処分したときは、抵当権者は立木に対する抵当権を失うことになります。立木を抵当に取得する方法は、建物の場合とほぼ同様ですが、契約書には次のような事項を特に記載します。
10年生未満の立木については、費用や年数の関係で立木登記は普通行いませんが、証書には書入れます。貸付後の管理のため、抵当山休が保安林に編入されたときは、期限の利益を失わしめることを特約します。抵当立木の手入その他の施業方法を記載する。借主は、下記の条項を履行する。
1.抵当に供した山林につき、伐採計画を立て貸主の承認を受けること。
2.抵当に供した山林に関し年2回以上伐採の進行状況並びに伐採予定量をあらかじめ届出ること。
3. 抵当に供した山林に関し主伐の場には、伐採跡地に対し直ちに植林をなすこと。

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