不動産の意義と不動産抵当

不動産とは、民法によれば土地およびその定着物です。土地を不動産とするのは各国の立法例に共通するところです。土地は地番区域ごとに地番を附けられ、その所在、地番、地目、地積等が登記所備付の土地登記簿に登載されます。登記所には、別に土地登記簿が備付けられ、土地に関する権利の変動を公示します。土地の地目は、土地の主たる用途により、田、畑、宅地、塩田,鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めます。土地の定着物とは、土地に附着して容易に移動できませんが、土地の一部分ではないという状態にある物をいいます。定着が、人の意思に基づくかどうかは、定着物であるかどうかを決める基準とはなりません。自然に生えた樹木も人工の石垣もともに定着物です。容易に移動できるかどうかは、社会通念によることです。普通の樹木は土地の定着物ですが、植木屋が商品とするために仮植している植木は、定着物ではありません。土地の定着物のうち、建物と立木法の適用のある立木は、土地と離れて独立した不動産として取扱われますが、その他の定着物は土地の一部として取扱われ、土地に対する権利の変動に伴って変動するのを原則とします。

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建物は、又家屋とも称します。土地に定着して建設された工作物で、屋根と住又は壁を有し、住居、執務、作業、貯蔵、娯楽、集会又はこれに準じる目的に供せられるものです。建物の範囲は、技術の進歩や取引観念の推移により、時代とともに変ります。高架下を利用して築造した倉庫及び店舗、地下停車場、地下街の建物、上屋を有する停車場の乗隆場および荷物積卸場、屋根の設備ある野球場及び競馬場等の観覧席等は建物と見るべきですが、ガスタンク、石油タンク、給水タンク、固定しない浮船を利用した設備等は建物とすべきではありません。建物は、1箇ごとに家屋番号を附け、登記所備付の家屋台帳に、所在、家屋番号、種類および床面積、所有者の住所および氏名または名称等を記載登録されます。この場所附属家屋は、主たる家屋に合せて1箇のものとして取扱われます。建物の種類は、建物の主たる用途により、居宅、店舖、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については不動産登記事務取扱手続準則127条により、校舎、講堂、研究所、病院、診療所、集会所、公会堂、停車場、劇場、映画館、遊技場、競技場、野球場、競馬場、公衆浴場、火葬場、守衛所、茶室、温室、蚕室、物置、便所、鶏舎、酪農舎と区分され、これにより難い場合には、建物の用途により適当に定めるものとされています。
建物の構造による分類は、その主たる部分の構成材科により、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、土蔵造、木造等に区分し、また屋根の種類により、瓦葺、スレート葺、亜鉛メッキ銅板葺、草葺等陸屋根に区分し、階層により平家建、2階建以上に区分します。建物に関する権利の変動は、登記所備付の建物登記簿に登記することにより公示します。
工事中の建物は、動産であって不動産ではありません。建築中の建物がどの程度できたときに不動産たる建物となるかは、新築建物を抵当にとる場合に重大な関係があります。判例によると、建物の使用目的により一概にはいえませんが、屋根および囲壁を有し土地に定着する建造物として存在するに至ったときは、床および天井を具えていなくとも、既に動産の領域を脱して不動産の部類に入ったと認めることができるとします。しかし単に切組を済ませ降雨を防げる程度に土居茸を了っただげで、荒壁に着手したかどうかも不明の程度では、まだ建物と認めることができないとしています。
立木とは一筆の土地又は一筆の土地の一部分に生立する樹木の集団で、その所有者が立木に関する法律によって所有権の保存登記を受けたものをいいます。立木以外の樹木は通常タチキといい、立木と区別しています。立木は独立の不動産とみなされ、土地と分離して譲渡したり、抵当権の目的とすることができます。立木に関する登記は登記所に備えた立木登記簿になされます。立木登記ができるのは、自然林であると植栽林であるとを問いませんが、樹種は限定されています。また余りに雑然と種々の木が生立するのは公示の方法に困るので、7種を超えない樹種によって組成されるものに限られ、なお同一の土地に生立する樹木の集団につき2箇以上の立木登記をすることも許されません。
不動産抵当においては、不動産について、その抵当権設定者の有する権利が、どんな法律上の原因により取得されたか、その取得は適法に行われ瑕疵がないか否かを充分に調査をしなければなりません。不動産登記には、公信力がないので、形式上は登記簿上の所有者となっていますが、実質的には所有者でないときには、たとえ善意無過失で抵当にとっても、その効力を真実の所有者から否認されてしまうのです。特に保存登記については充分注意しなければなりません。無効の保存登記があると、それ以後の移転登記等は、すべて無効とされてしまいます。実際に、同一建物について、20個の保存登記がなされた例があるといわれます。現在の所有者の所有権取得原因については、特に相続の時に注意をする必要があります。潜称相続人によって相続登記がなされているときは、それを信頼しても、その抵当権設定登記は無効となってしまいます。抵当に取ろうとする土地建物に、地上権、永小作権、または賃借権の登記がなされていたり、土地上に、地上権又は賃借権に基づく登記がある建物が存在したり、建物に引渡を受けた賃借権者が居住しているときは、それらの権利は抵当権実行の際、競落人にも対抗できるため、いきおい、競売価格が低落するので、抵当にとることは避けるか、または、それによる減価だけ見込んだ価格で抵当権を設定すべきです。抵当権を設定しても、抵当権者は目的物を自由に使用収益処分できるわけですが、そうすると、思わぬ第三者より滌除の申出を受けたり、第三者の使用により、目的物件の交換価績が滅少したり、ことに短期賃借権が設定せられると、即時競売することが至難になったりするのみか、第2順位の抵当権者ができると、後目利率の変更、根抵当契約の存続期間の延長等の際、次順位抵当権者の承諾が必要になるので、若しその承諾が得られないと、変更が不能となってしまうおそれがあります。そこで、かかる抵当物件の取益処分については、必ず貸主たる抵当権者の承諸を受けさせることにして、無断でそれをした場合には弁済の期限の利益を失わしめることとし、これを登記するのがよい。更地を抵当にとる場合に、抵当権実行までにその地上に抵当権設定者以外の者の建物が建つと、競落人は建物取去命令を得ないと上記建物の取去ができない結果、競売価格が不当に低落するので、これを防ぐために、予め抵当土地について、抵当権者のために賃借権の設定登記をしておき、若し建物が建ちそうなときは、即刻建築禁止の仮処分命令を得て、建築を未然に防ぐのが得策です。もっとも、抵当権を設定した土地の上に、抵当権設定者が建物を建築したときは、抵当権者は土地とともに建物をも競売することができます。本人占有の建物を抵当にとるときも、抵当権者のために賃借権の設定登記を受けるのがよい。借地上の建物を抵当にとる場合は、競落人が引続き土地を使用できるように、予め地主の承諸をとっておくことが有効です。

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