連帯債務者と保証人

数人の債務者に対して貸付をするときには、各自連帯して債務履行の責に任じる旨を約させるのが債権者にとって有利です。民法の規定によれば数人の債務者があるときは、特約がない限り、各自平等の割合で債務履行の責に任じるのを建前としているからです。保証人をとる場合にも、保証人が債務者と連帯して保証する旨を約させるのが、これまた債権者にとって有利です。単純保証をしたに過ぎない者は、債権者から履行の請求を受けたときはまず主たる債務者に催告をなすべきことを請求することができ、強制執行も主たる債務者を先にすることを求めることができ、また保証人が数人あるときは分別の利益を有して負担は頭割となります。しかるに債務者と連帯して保証させるときは、保証人は上記に述べたような権利を有しません。数人の保証人がある場合には、さらにこの数人の保証人間にも連帯を約させることが行われていますが、これは連帯保証をした物のうち主債務者との関係で負担部分を有するものがある場合に、この保証人が債務の免除を受けたときは、この負担部分の範囲で主債務者がその債務を免かれることがあり、他の保証人もその限度で債務を免かれるとする判例があるので、これを避けるためであると説明されています。

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商事債務については、商法第511条の規定があり、多数当事者の債務は特約がなくとも連帯債務となり、又は連帯保証となるため連帯に関する約定は不要ですが、同条は債務者のために商行為たる行為によって債務を生じた場合にのみ適用があり、債権者のためにのみ商行為である行為によって発生したものには適用がありません。連帯債務者および連帯保証人は、債権者に対しては債務全額の支払いをする義務を負っているが債務者相互の間又は債務者と保証人の間では、その負担する割合が定まっています。この負担部分を超えて弁済したときは、負担義務を有する他の債務者に対し求償することができます。
この求償権を有する債務者及ぴ保証人は、その求償に必要な範囲において、債権者に代って債権者の有する権利を行使することができます。これを代位権と称しますが、代位権の対象となるのが抵当債権であるときは、代位権者は求償に必要な範囲において抵当権を行使できます。
それ故同一債務者に対し数口の抵当債権を有する場合に、そのうちの先順位の債権の弁済を受けて代位権が発生すると、債権者は先順位抵当権を失い、後順位抵当権者となります。このような結果となることを避けるため、連帯債務者又は保証人が代位によって抵当権を取得するときには、その抵当権の順位を無償で債権者に譲渡することをあらかじめ約させることが行われています。
消費貸借契約は要物契約であって、貸主が借主に貸付金を交付したときに契約が成立します。しかるに実際取引ではまず契約書を作成し、これに基づいて抵当権の設定登記をなし、その後で金銭を授受することが多い。根抵当権であれば本来が将来発生する債権を担保する目的で設定されるものであるため、担保権の設定が先行するのが当然ですが、普通の抵当権を設定するに当り、事実に反し既に消費貸借契約が成立したものとして、その契約や登記の手続をしても無効ではないかとの疑念が生じます。この点につき判例は、消費貸借を担保するため抵当権の設定をした場合に、その担保される消費貸借が抵当権設定の当時合意のみ存し、また金銭の授受がなかったとしても、金銭の授受がその後遅滞なく了せられ消費貸借が効力を生じたときは、上記の抵当権は有効にこれを担保することができるとされます。
同様の問題は公正証書の執行力についても生じます。つまり消費貸借契約が公正証書をもってなされ金銭の授受がその作成後に行われるときは、その公正証書は事実に吻合しないため無効ではないかということです。初期の大審院判例では、消費貸借の要物性と公正証書の厳格性を循にとって、かかる証書は無効で執行力がないとしました。しかしこれでは取引の実情に適しないので、しだいにその態度を緩和し、まず証書作成後数日で金銭の授受があった場合を有効とし、次には2月半後に金銭授受の行われた場合も有効とするに至りました。
登記または登録することによって、第三者への対抗要件を取得します。
抵当権の目的とすることができる物件は、不動産の外に、工場財団、鉱業財団、漁業財団、鉄道財団、軌道財団、運河財団、港湾運送事業財団、道路交通事業財団、自動車交通事業財団、農業用動産、船舶、自動車、航空機、地上権、永小作権、鉱業権、採石権、漁業権等です。
抵当権の基本になる債権は、現在の貸金債権はもちろん、将来貸付を予定する場合の将来の貸金責権でもよく、さらに当座貸越契約手形割引契約を担保するために、最高額を限定した将来の増減する不特定貸金債権でもよいことは、保証、質権と同じです。したがって、抵当貸付をする際に、まず借用証書を作り、抵当権設定契約をして、登記を済ませた後において、貸付金を交付する慣行は、有効です。また当事者において、一定の金額の貸借を約して、必要に応じて貸付金を分割するという場合の抵当権も、普通の抵当権設定契約でよいのであって、根抵当権設定契約をする必要はありません。
担保される貸金の範囲は、質権の場合と大いに異り、登記した元本、利息、遅延利息をも含みますが利息および遅延利息は、通算して満期となった最後の2年分についてしか及びません。
抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲は、質権と異り引渡しがないため、不明確であるため、民法において特別の補充規定をおいています。それによれば、目的不動産に附合してそれと一体をなして不動産所有権の内容を構成するもの、例えば、樹木、土地の石垣、庭石、建物の造作等については、附合の時期の如何を問わずに抵当権の効力が及びます。

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