根保証の意義

貸主が借主に対し、爾後継続的に貸付をなすべき場合に、保証人をして予め将来の一定時期における賃借債務の総和の保証をさせる場合があります。これを根保証又は信用保証といいます。保証債務が成立するためには、借主の債務が存在しなければなりませんが、借主の債務は、将来の債務または条件付債務でも差支えません。この場合には、保証契約は直ちに成立しますが、上記契約に基づく保証債務は、借主の債務が将来において発生すると同時に効力が発生するものと解せられます。銀行の行う当座貸越契約や、手形割引、手形貸付契約においては、物的担保、根抵当、根質の他、この信用保証が最も頻繁に行われ、極めて重要なものです。信用保証も保証の一種である以上、それが単純保証であれば、その規定、連帯保証であれば、その規定に従うのですが一定期間継続的に増減変動する借主の不特定債務の一定時期における総和を保証するものである以上、そこに特異控が存在します。それは、保証人の責任の限度如何ということと、保証人はその期間中途で保証契約を解約できるか否かということです。信用保証における保証人の責任については、通常その限度および期間が一定せられるのであって、この場合には、途中において、借主の債務が弁済により消滅したり、減縮したりし、或は新たな貸出により、限度額を起過することがあっても、結局その契約期間中の一定決算期における限度額範囲の貸付額について保証の責に任じるのです。このような信用保証は、当座貸越契約において行われるところです。

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もし限度額が定められていないときは、保証人は全額について保証したものと推定されます。限度額が定められた根保証の場合は、元利合計してその限度額まで保証する意味であって、その限りで民法447条1項の適用は制約されると解すべきです。
このような保証契約は何時まで存続するかについては、存続期間の定めがあれば、その期間終了まで存続するのは当然ですが、その定めがない場合には、何時まで存続するかが問題となります。ことに金銭貸借における保証は、借主の人的信頼関係の上に成立するため、途中でこの信頼関係が失われるようになったときに保証人をして途中で、保証契約を解除することを認める必要は大きい。大審院判決は、手形割引契約による将来債務の保証人は、期間の定めがないときは、相当期間経過後解約でき、契約の日より2年半を経過したときは、すでに相当の期間を経過したるものとし、さらに借主の資産状態が著しく悪化したときは、相当の期間を経過したと否とを問わず、将来に向って解約し得るものと決しました。
根保証と条件付又は将来の債務の保証とは異るのであって、後者は将来の特定債権のための保証であるのに対して、前者は将来増減変動する債権の一定期間における総和という一団の不特定債格のための保証であって、丙者の差異は、被保証債権が、予め待定するか否かにあるのです。

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