金銭消費貸借の成立

金銭の消費貸借が成立するためには、借主において貸主から金銭を受け取ることを必要とします。しかし、かならずしも、現実に現金の占有の移転があることを必要とせず、取引の通念の上で現金の授受と同一の経済上の利益を与える場合においては、消費貸借が成立します。
小切手、郵便為替証書の交付
貸主の銀行預金から借主の銀行預金への振替
貸主の預金通帳及び印章の借主への交付
貸主から借主指定の第三者への現金交付
貸主の指図による第三者から借主への金銭交付
手形の割引
金銭の消費貸借においては、借用証書を作成するのを通例としますが、証書を作成しただけでは契約が成立したことにはなりません。ただし、契約を締結するにあたって公正証書によるならば、後日借主に債務不履行があった場合において、訴訟を提起した上、確定判決を得て強制執行をするという手続をとる必要がなく、その公正証書についてその証書を保有する公証人から執行文の付与をうけて、強制執行をすることのできる便宜があります。

スポンサーリンク

お金を借りる!

金銭の授受は、かならずしも証書の作成と同時にする必要はなく、証書の作成後若干の日数を経て金銭の授受があったときは,その授受と同時に消費貸借が成立し、その前に作成した借用証書は無効となることはありません。利息を天引した場合において、天引額が債務者の受領額を元本と仮定して、後出「利息の最高限度」に定める利率によって計算した金額をこえるときは、その超過部分は、約定の元本の支払に充てたものとみなします。なお、約定利率が利息制限法の制限をこえない場合にも適用があります。
債務者が利息制限法所定の制限をこえる利息、損害金を任意に支払った場合における超過部分の充当による元本完済後の支払額の返還請求の許否。利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息、損害金を任意に支払った債務者は、制限超過部分の充当により計算上元本が完済となったときは、その後に債務の存在しないことを知らないで支払った金額の返還を請求することができる。
債務者が利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息、損害金を任意に支払ったときは、制限をこえる部分は、民法第491条により、残存元本に充当されるものと解すべきです。連帯債務者の1人が利息制限法所定の制限をこえる利息を支払っても、他の連帯債務者に対して制限をこえる利息相当金を求償することはできません。
一般の債務については、債務者は,履行期に履行をしなかったときでも、その不履行が債務者の故意又は過失によるものでないこと、つまり不可抗力によるものであることを立証したときは、その責任をまぬがれることができるのですが、金銭の消費貸借上の債務は金銭債務であるため、履行期の到来により借主は当然に遅滞に陥り、遅延損害金を支払う責任を生じるのであって、不可抗力をもって抗弁とすることはできません。また債権者は、何らの証明を要しないで遅延損害金の請求をすることができます。
借主が期限に返還を怠ったときは、約定利率すなわち約束してきめた利率と同額の遅延損害金を支払わなければなりません。利息を付する約束がなされていないか、あるいはその約束はあっても、利率をきめていないときは、法定利率と同額の遅延損害金を支払わなければなりません。
原則として金銭の授受がなければ契約は成立しません。ただし取引界においては、まず抵当権の設定と公正証書の作成をして、それから後に目的物を交付するのが通例ですが、このように目的物の授受に先だって設定された抵当権および公正証書も有効です。
利息の取りきめがない場合には、貸主は利息を請求することはできません。ただし、商人間の貸借では、特約がなくても貸主は法定利息を請求することができます。つぎに利息を支払う約束があっても、利率をきめておかなかったときは、民事債務は年5分、商事債務は年6分の法定利率となります。遅延損害金の率について取りきめのないときも同様です。利率を約定する場合には、利息制限法による制限がある。
弁済の場所は、明示または黙示の意思表示や、その取引きについての慣行で定まることが多いが、これらの標準によって定まらない場合について、民法第484条は、債権者の弁済をなすときの住所を弁済の場所とする旨規定しています。なお、弁済の場所は裁判籍を定める基準としても重要な意義をもちます。

お金を借りる!

消費貸借/ 消費貸借の効力/ 金銭消費貸借の機能/ 金銭消費貸借の成立/ 手形貸付と手形割引/ 保証債務/ 保証債務の内容/ 連帯保証の意義/ 共同保証と連帯債務/ 連帯債務の効力/ 根保証の意義/ 手形保証と手形裏書/ 抵当権の意義/ 連帯債務者と保証人/ 抵当権の効力と次順位の昇格/ 担保の変動/ 不動産抵当権実行手続/ 不動産の意義と不動産抵当/ 抵当権の効力/ 不動産抵当権設定登記/ 根抵当権/ 被担保債権元本の確定/ 根抵当権の随伴性/ 相続合併と根抵当権/ 根抵当権の一部譲渡と準共有/ 工場抵当/ 工場抵当権設定手続/ 漁業財団抵当/ 船舶抵当権/ 質権/ 質権者の権利/ 動産質/