消費貸借の効力

目的物に隠れた瑕疵がある場合における貸主の担保責任は、消費貸借が利息付であるか否かによって異なっています。利息付消費貸借の場合においては、それが有償契約であるが故に、借主の立場を保護するために、暇疵のない物を交付する義務があり、また損害賠償の義務があることもあり得るのです。利息付消費貸借の場合における貸主の担保責任は、売主の担保責任と同様に、無過失責任と解すべきです。利息付消費貸借については、その有償契約であるの故をもって、売主の担保責任に関する規定の準用があるかどうかが問題となるのですが、瑕疵担保責任は、その特則である第590条によって排斥され、その他の規定は準用されると解すべきです。貸主の担保責任に関して特約をすることの有効であることは、もちろんですが、この場合、民法第572条の準用があります。無利息の消費貸借の場合においては、暇疵を知りながら借主に告げなかったときにのみ瑕疵のない物を交付する義務もしくは損害賠償義務がみとめられ、然らざるときには、ただ借主が暇疵ある物の価額を返還すればよいことになっているのであって、借主は受け取った物にひとしい物、つまり同じ瑕疵のある物を返還する必要はないのです。

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借主の義務は、受け取った物と同種、同等、同量の物を返還することです。返還の時期が定められていない場合、つまり期限の定めのない消費貸借にあっては、何時返還するも自由です。貸主もまた何時にても、相当の期間を定めた上、返還の催告をすることができるのです。元来期限の定めのない債務は、債権者の単純な催告によって直ちに遅滞に陥るのですが、この原則をそのまま消費貸借に適用したのでは、借主に絶えず返還の用意を命じる結果になるため、民法では、この原則を緩和し、相当の期間を定めた催告のみが借主を遅滞に陥らしめるものとしたのです。貸主が相当の期間を定めないで、あるいは不相当の短期間を定めて返還の催告をした場合に、その催告が効力を有するかどうかが問題となりますが、かかる催告は、それがなされた後相当の期間が経過することによって、借主は遅滞に陥り、その責に任じることとなると解するを妥当とします。
返還のときにあたり、さきに契約の成立に際して受け取った物と同種、同等、同量の物の返還が不能となった場合には、借主の返還義務は、時価による価額償還義務に変り、借主は、そのときにおける物の個額を返還すればよいことになります。
上記にいわゆる返還が不能となった場合とは、もちろん借主の責に帰すべからざる事由により返還が不能となった場合をいいます。返還すべきものが特殊の通貨であって、返還すべき時期に強制通用力を失った場合には、他の通貨を返還すればよいこととされています。
返還不能が借主の責に帰すべき事由によるときは,借主は損害賠償の責を負うこととなります。借主が遅滞に陥った後に、履行不能が生じた場合には、一般の原則に従って、通常の損害賠償の責任を負うものであることはいうまでもありません。

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