違反建築物を買ったとき

建売業者が無届建築、正規の建築届をしないでした建築や違反建築をやりますと、官庁から違反是正命令や工事施工中止命令をうけ、これを守らない場合には、六ヵ月以下の懲役または罰金に処せられます。一方、違反建築と知らずに業者から買いうけますと、買主自身が除却、移転、改築などをしなければならない羽目に陥ります。
では、買主はどうすればよいでしょうか。このような場合には、民法五七〇条にいう「売買の目的物に隠れたる瑕疵があるとき」にあたり、買主は、そのために売買をした目的を達成することができませんから、契約を解除して損害賠償を請求することができます。もっとも、この手段をとる前に、建売業者を指導、監督する都道府県の部局に相談して、妥当な解決を考えてもらうのもひとつの方法です。

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例えば、「駅まで歩いて八分、小・中学校近く、買物便利、ガス・水道引込み可、排水完備、三・三平方メートル二万三、〇〇〇円〜二万五、〇〇〇円、八年の住宅ローン」という広告と現地の業者の説明を信用して宅地を買ったところ、実際には、一番近い駅まで徒歩三〇分、小・中学校まで三キロメートル、ガス・水道の計画はなく、排水設備も不完全で、三・三平方メートル八、〇〇〇円くらいが妥当な価格であった、というような例はよく耳にします。こんな場合には、広告や説明に嘘があったため買主はたいへんな迷惑をこうむります。ですから、先に述べたように、民法五七〇条を根拠として、契約の解除や損害賠償を請求できることはいうまでもありません。また、広告、説明のあったときには、業者の方で、説明したとおりの状態であると積極的に保証したとみられることが多いですから、約束どおりにせよと業者に請求することもできます。ただ、水道を引いたりガス管を敷設することは、水道局やガス会社の仕事ですから、業者に契約どおりを要求してもできないことかあります。こんなときには、結局は契約解除と損害賠償で満足するよりほかないことになります。
なお、説明に嘘があった場合に追及しますと、悪い業者ほど逃げ口上を言ったり、トボケたりします。これを封じるためには、あらかじめ業者に一筆書かせるか、世間的に信用のある人に立ち合ってもらうという方法をとっておくことが必要です。これをしないで、後になって「裁判所は悪い奴に味方する」などとこぼすのは、天に向かってツバを吐くようなものですから、くれぐれも注意してください。
もし、業者が、違反建築ではないとか、広告、説明どおりの状態であると保証したときは、民法九六条にいう「詐欺にかかって」買うと言ったことになりますから、買うという意思表示を取り消して、損害賠償の請求をする、という考え方も成り立ちます。民法五七〇条でいくより、民法九六条でいく方が、事情によっては、多額の損害賠償がとれるように思いま す。つまり、業者の言を信じて、いい買物だと思ったので、他の土地を買う約束を、売主に違約金を払ってまで解消したとか、自分の居宅を売ってしまったため改めて家を探さなければならないというような事情があれば、そうしたことによる損害を賠償させるには、民法九六条、ないし、誇大広告のところで引合いに出した民法五四一条以下によるほうが、裁判所では通りやすい、といえます。保証しただけ、業者の責任が重くなって当然というわけです。
なお、業者は、その業務に関して広告をする場合には、広告される土地、建物について著しく事実に相違する表示をしたり、事実よりも著しく優良あるいは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならず、宅地に関して水道、電気、ガスなどの設備の整備状況などを書面を交付して説明しなければならないと定められており、これに違反した場合には免許取消、業務停止の処分をうけます。また、業者は取引関係者に対して信義を旨とし誠実に業務を行なわなければなりません。したがって、誇大広告にひっかかった買主が業者に損害賠償を払えと要求したのに、業者に誠意がないときは、都道府県知事に対して、業者がその義務に違反したことを申し立てるのも、ひとつの方法ではあります。このようにいえば、業者に対する監督は国や地方自治体が率るべきで、われわれがそんなことにまで煩わされるのはごめんだ、と反論されるかもしれません。しかし、予算措置が十分でなく、監督する係員も不足がちな現状を考えますと、やはり国民の一人一人が、違反行為に対して目をしっかり開いていることが必要でしょう。

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