売買契約書に捺印する際の注意点

売買契約の内容などについてあとで争いが生じたときには、なんといっても契約書がものをいいます。契約書にはそう書いてあるが、実際の話合いではこうだったと言っても、契約書の内容と違う内容の主張は、よほどの事情がないかぎり、裁判所では認めてもらえません。したがって、土地建物の売買契約書に捺印する際には、十分に注意を払わなければなりません。どういうことがとりわけ重要かといいますと、物件の表示、つまりどの物件を買うのかをはっきりさせておくことはいうまでもないとして、代金を支払う時期と方法、所有権移転登記をする時期、物件を引き渡す時期、などですが、そのほか、手付の受渡しがあったときは、その手付の法的性質を決めておくこと、いわゆる危険負担に関する特約をしておくことも大切だといえましょう。

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売買契約の成立したときは、手付金として買玉が売主に対してなにがしかの金銭を渡すのが普通です。この手付というのは、契約が成立した証拠ともなりますし(証約手付)、買主が約束に反して代金を払わなかったり、売主が期日に物件を引き渡さないようなときには、売主が受け取った金を収没したり、または、倍額を買主に返さなければならない、という結果になることもあり、また、買主がそれを放棄し、または売主が倍額を返還して、いつでも契約を解除することができる趣旨のものであるともみられます。手付についてなにもとりきめがないときは解約手付とみられますが、こういうことを知らないで漫然と手付の受渡しを行ない、あとになってそんなつもりではなかった、ということのないよう、その性質なり効力をはっきりさせておく必要があります。売買契約の際の金の受渡しが手付ではなくて、代金の一部の支払い(内金)の場合もありますが、内金だから契約の解除はない、と安心はできません。事情によっては、内金も解約手付としての性格をあわせもつ、とされる場合もあるからです。ただ、内金として代金の七割か八割を払ったときは、そのような心配はまずないといえましょう。
「危険負担」については、もし、売買契約成立ののち物件の引渡しをうけるまでに、落雷その他の天変地異など、売主側の故意、過失によらないで物件が消滅したときでも、買主はいぜんとして代金を支払わなければならない、と民法が定めています。ですから、家や土地を買うときは、この民法の建前を排除し、引渡しをうけるまでは売主が危険を負担する旨を定めておくべきでしょう。
そのほか、契約書に捺印するときは、相手方本人と顔を合わせて双方が捺印するようにし、そうでないと、相手方本人が「そんなことは知らない」などと言う危険性があるからです。代理人相手ならば、代理権があるかを確認することが大切です。また、契約書が変造されないように、訂正個所には双方の印を押し、訂正した旨欄外に示しておいたり、例えば「○字抹消○字挿入」というふうに契約書が二枚以上のときは、その見開きの部分に、つまり一枚目と二枚目、二枚目と三枚目間に、双方の用紙にかかるよう捺印しておくことも必要です。
なお、「契約書」というしかつめらしい表現を避けて、「念書」とか「覚書」という表題をつける場合が少なくないようですが、売買契約書とはっきり書いたほうが、あとで紛争の生じたときに売主、買主の考えや意図をはっきりさせるうえでは有利ですから、できるだけ、念書などといったはっきりしない文字は使わないほうがよいと思います。

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