債務不履行による損害賠償の請求

債務者が債務を履行しないときは、債務不履行として債権者はこれによって被る損害の賠償を請求することができます。債務不履行となるのは、履行遅滞、履行不能、不完全履行の三つの場合になります。
債務不履行のある場合には、債権者は契約を解除し、不履行によって生じる損害の賠償を請求することができます。この賠償される損害の範囲は、必ずしも現実に発生したもの全部ではなく、原則として通常生じるべき損害、債務不履行と相当因果関係を有する損害だけになります。しかし、特別の事情によって生じた損害でも、債務者がその事情を予見し、または注意をしたならば予見できた場合に不注意で予見できなかった場合には賠償の対象になります。以上が債務不履行に基づく損害賠償についての一応の建前ですが、金銭債務の履行遅滞による損害賠償、賠償額の予定をした場合、債務の不履行が債務者の過失にも原因している場合については特別の定めがなされています。

スポンサーリンク

お金を借りる!

債務者が債務の本旨にしたがって履行を提供したのに債権者がこれを受領しない場合を受領遅滞といいます。借家人が持参した家賃を家主が受取らない場合などがこれで、債権者にも受領義務があると解して、債務者は債権者に対し損害の賠償を請求することができるとされています。この受領遅滞があれば、債務者は不履行から生じる一切の責任を免れることができ、また供託によって債務を免れることができます。
債権は、強制執行と損害賠償を請求できるものとしてその最後の効力を実現するものであるために、債権者にとって債務者の一般財産が維待されているかどうかは重大な関心事です。そこで民法は債権者に自分の債権を保全するためその債務者に属する権利を行使する権限を与え、債務者がその債権者を害することを知って行なった贈与その他の財産滅少行為の取消を、訴をもって裁判所に請求できる権限を与えました。債権の保全的効力ないし対外的効力といえます。債権者代位権は、債務者の資産状態がどうあろうと、特定債権保全のため必要なときにも行使できるという解釈がなされており、判例では賃借物に対する第三者の侵害を所有者である賃貸人が排除しない場合に、賃貸人の所有権に基づく妨害排除請求権を賃借人が代位して行使することを認めているために、その効用は大きくなっています。
債権が第三者によって侵害されたときは、物権が侵害された場合と同様に、損害賠償の請求が認められます。債権の対象になっている山林を不法に伐採させたり、売主の代理人と共謀して目的物を不当に安価に買い受けるなどは債権侵害となります。しかし、債権侵害がある場合でも、物権的請求のような妨害排除の請求は認められません。

お金を借りる!

債務不履行による損害賠償の請求/ 債務履行を強制する手段と方法/ 債権担保の手段/ 人的担保である保証債務/ 連帯債務/ 留置権と先取特権/ 質権/ 抵当権/ 担保制度/ 譲渡担保の実行/