保証人の代位弁済

Aが土地を抵当に入れてBから借金した際に連帯保証人になりましたが、Aのほうで期限にお金の都合がつかなかったため、結局私が全部返済しましたが、そのことを知ったCはこの土地を買うつもりのようです。もしCが買うとなると、私としてはどんな手を打っておけば、出したお金をBがもっていた抵当権によって取り戻せるでしょうか。
、保証人が債務者のために弁済すると法定代位が認められます。したがって、保証人は債権者がもっていた抵当権についても代位することができるわけですが、本問の場合のように第三者が抵当不動産を買っているときには、第三者としては抵当権によって保証された債権が弁済によって消滅すれぱ抵当権も消滅してなんら負担を負わない不動産を完全に手に入れることができると予想していたのに、保証人が代位することによって、依然抵当権のついた不動産しか手に入れることができないという結果になり、第三者の予想に反することとなるとも考えられます。特に本問では、保証人が債務を弁済したことを知ったうえで抵当物である土地を買おうとしているのですから、より一層負担のついていない土地の購入を期待していたとも考えられます。しかし他方、債務者のために弁済した保証人としては、このような抵当物の第三取得者の利益のみが保護されるとすると、弁済者の代位によって認められた保護をうけることができないという不合理な結果になります。このような保証人と抵当物の第三取得者の利害を調節するために、民法五○一条一号は、保証人が「予め」その代位の登記をしなければ第三取得者に対して債権者がもっていた権利を行使できないと定めています。
古くは「予め」とは保証人の弁済前に代位の登記をすべきであって第三者が取得する前が後かは問わないとする学説もありましたが現在ではこのような見解はみられません。次に、かつての多数説、判例は、第三者の取得ないし取得登記前であればよく、必ずしも保証人の弁済の前後を問わないと解していました。しかし、今日の多数説、判例は、次のような理由から、あらかじめ登記をしなければならないのは、第三者の取得前に保証人が弁済する場合に限られると解しています。つまり、第三者の取得前に保証人が弁済しているときは、第三者としては抵当権のついていない完全な土地を手に入れることができると期待し、ただ保証人が代位するかどうかが不明な状態ですので、これを第三取得者に確知させる必要があります。したがって保証人はあらがじめ代位登記をすることによって第三取得者に予想外の不利益を与えないようにしなければならないと考えられます。しかし、第三者の取得前に保証人が弁済していないときは抵当権は有効に存在し、第三取得者はその負担を覚悟すべきであると同時に、抵当権があるということで安心している保証人に弁済前の代位登記を要求するのは実際上無理であると思われるからです。したがって、本問の場合、Cが土地の所有権取得登記をする前に代位登記をしておけばよいということになります。

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