抵当の対象となりうるもの

 民法によるところの抵当権、つまり抵当の対象となるものは、不動産、地上権、永小作権であり、商法では登記された船舶も抵当になり得るとされています。
 また、工場抵当法というものによってみとめられているものもありますが、工場は敷地と建物、それに工場にそなえつけられたいろいろな機械設備が一体となって企業設備をなしているわけであるから、その企業設備全休が抵当権の対象となるのです。

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 特殊なものとしては、立木法によって保存登記された立木、民法以外でも漁業権(漁業法)、採掘権(鉱業法)、財産抵当法による各種の財産などがあります。
 また、一般の動産のなかでも、借主が抵当となったものを継続しながらつかっている農業用動産や自動車などがあります。
 なお抵当物は、それが抵当に入っているものであるかないかは外部からはわからないから、登記や登録などによって公示できるものを抵当の原則とすることにしています。
 自動車には自動車抵当法というものもできており、抵当に入れる場合は登記して抵当権をつけることができるのです。
 抵当権のおよぶ範囲は土地、建物、その他家屋の付属物などに及ぶのです。それは以下のとおりです。

 土地 - 登記されている地積より実際に測ってみたら広かったというようなときは、抵当権はその広い部分にまで及ぶことになるのです。また抵当の目的となった土地が分割された場合でも、抵当権はその全部に及ぶとの下級審判決があります。ただし抵当権の目的である土地Aとそうでない土地Bとの合併によって両者がたがいに合併地の一部になった場合は、B地にたいしては抵当権の効力は及ばないことになっています。

 建物 - 抵当にはいる前は平家であった家を、その後増築して二階建てにしたり、または一部屋を建て増しした場合、貸主の抵当権はその家屋全休に及ぶことになります。

 立木 - 山林を抵当に入れた場合、原則として地盤だけでなくその土地にはえている樹木全休まで抵当権の効力が及ぶことになっています。

 建物の雨戸や扉 - その家が抵当にはいってのちにつけられた雨戸や扉には、すべて抵当権の目的の効力が及びます。

 従物 - 抵当権の効力は抵当権設定後の従物、つまり付属物にまで及びます。付属物とは納屋、湯殿、庭木、石燈籠、畳などです。

 きり離されたもの - いったん抵当権の設定された不動産は、たとえば山から切り出された石にも効力が及ぶことになっている。

 天然果実 - 原則として天然果実には抵当権は及ばないことになっていますが、抵当権が実行され、あるいはまた第三取得者が抵当権実行のしらせを受けてのもの天然果実は、抵当権の効力が及ぶことになっています。ただし賃料など法定果実とよばれるものには、差押えのあったのちでも抵当権は及びません。

 物上代位の目的物 - 抵当権は目的物にかわるもの、売却代金、賃料、目的物の滅失とか毀損によって目的物の所有者のうける金銭その他の、たとえば家が火事によって焼けた場合の保険金土地接収の補償金などにもその効力が及ぶことになっています。ただし、この場合、抵当権者(貸主)は保険金が保険会社から債務者(借主)に支払われるまえに、それを差押えなければならないのです。

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