集合体や物の一部の取扱い

民法は集合物や物の一部は一個の物として権利の客体とはならないと解されています。しかし、最近の財産構成の変化や財産取引の進化は、集合物の扱いや物の一部についての扱いに変化をもたらしています。その学説の経緯と最近の立法傾向では、集合物の扱いについての学説物が集合して経済的に単一の価値を有し、取引上も一体として取り扱われる場合に、法律上もこれを一個の物として権利の客体となすべきかどうかについて学説が分かれています。牲別法によって登記、登録などの公示方法を与えて一個の物として取り扱われている場合のほかは、群羊や一倉庫の商品などは一個の物としての扱いを否定するのが従来からの通説す。しかし、このような個別主義の考え方は複雑な経済現象に即応できないものがあります。そこで近年では経済的に一体をなす集合物は、法律的にもこれを一体と認めることが、その目的に適するものであり、物権法の公示の原則にもとることがないと説き、集合物を一個の物として取り扱おうとする学説が有力になってきています。この説は物の本質を独立価値あるもの、管理可能なものと解する説から由来するものであり、つまり集合物を構成する個々の物は、集合物の構成部分たる関係においては、集合物と一体のものとして取扱われ、個々の物として独立性を有する関係においては、独立の物として扱われると解するのです。
近年の経済進化の要請から、従来の個別主義の建前を離れて、近代的な企業に関して、特別法をもって集合物を一個の物として取扱い、法律上それぞれ独自の公示方法が考案され、一体としての法律関係が認められる例が多くなってきています。このような特別法としては、工場低当法、鉄道抵当法、鉱業抵当法、漁業財団抵当法や企業担保法があり、商法上の営業譲渡の制度もこの一環として考えられます。物の一部の独立性についても近年ではマンションの階層別、部屋別の所有を認める建物の区分所有等に関する法律が制定されるなどの発展を示しています。これらは、経済状態の変化にともなう財産構成の変化として新しい課題を投げかけています。

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