動産とされる物

動産とは不動産以外の物をいい、動産であるためには必ずしも経済的価値を有する必要はありませんが、指名債権証書のように、証拠手段以外に一片の紙きれとしての価値しかない物は、債権とは別の独立の物とは認められません。いかなる債権も観念上は物ではありませんが、無記名債権は、証券に物的価値が化体しているという特殊性に基づいて、民法上動産として取り扱われています。その反面で、船舶は観念上は動産ですが、法律上は不動産と同様に取り扱われています。航空機、自動車なども土地および定着物という観念からはほど遠い物で、動き回るという点ではいわば動産の典型的なものですが、登記、登録など公示手段を講ずることによって法律上は不動産と同じように扱われていることは注意に価します。
物の所有者が、自己の所有物の経済的利用のために、他物をこれに継続的に付着させたときは、主物と従物という関係が生じます。ある物が他の物と機能的に結合して、一方が他方の効用を助けるという経済的関係にあるときは、法律上両者を同一の運命に服させることがその物の社会経済的効果を十分に発揮するゆえんであるというのが、主物と従物を区別する理由です。
従物とは、物の所有者がその物の常用に供するため、これに付属させた自己所有の他物をいいます。従物に対してこれを付属させる主たる物を主物といいます。従物は動産に限らず不動産であってもかまいません。判例では納屋や茶室を従物であると解しています。従物はそれ自体独立の物なのであるために、当事者が従物だけを処分できることはいうまでもありません。しかし、原則として、主物の所有権が移転すれば従物もそれに従い、主物に抵当権が設定されると当然従物にも及び、抵当権設定後の従物にも及ぶと解されています。主物につき債権契約が結ばれると従物をも包含することになるので、これを従物の随伴性といいます。主物と従物の関係は物と物との関係ですが、これが権利の間にみられるときは、民法八十七案を類推して解釈してもよいことになります。

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