財産の基本的区別

不動産とは土地およびその定着物をいい、動産とは不動産以外の物を総称しています。この不動産と動産は、様々なの点で経済上、法律上その取扱いを異にして、昔から全ての法制において物の基本的区別とされています。この区別の理由は、財圧価値的な埋由と、性質による公示方法の違いにあるといえます。不動産がその経済的価値においてはるかに動産に勝り、重要な財産として特別の保護を必要とするという沿革的理由からです。土地、不動産は人類生存の基礎であり、資本主義経済体制の下においても資本の基盤として重要な意味を持っています。民法が「不動産又ハ重要ナル動産」として、不動産をもって当然に重要な財産としこれに関する権利の得喪変更を特に厳重に扱っているのはこの理由に基づいています。
動産は常に転々としてその場所を変えることがあるのに対して、不動産は容易にその場所を変えないために、その上に成立する権利を他人に公示する方法を異にするという理由です。民法が不動産について登記制度を採用し、不動産上の権利の得喪変更を公簿に記載して公示し、一方で動産について占有をその公示方法としたのは、この理由に基づきます。現行法上で不動産と動産について様々な取扱い上の差異を設けているが全てこの点に関連するものです。
前述の不動産と動産の区別の理由は、時代の進化とともに変化を生じています。現代の資本主義的取引においては、財産の構成的変化がみられ、有価証券という不動産でなくとも重要な価値を有する財産が現われ、それが取引社会に重要な地位を占めるに至り、不動産だけを重要な価値のある財産として保護することは不適当となっています。したがって、現在の法制においては、不動産と動産の区別は、公示の方法を異にする点にあると言わなければなりません。この点について、取引界では待殊の公示手段を案出して新たな不動産を形成し、その取引形式についても新たなものを生み出しているのです。登録質の問題、動度抵当制度の問題、譲渡担保制度の問題など全てこれに関連します。一方、占有、引渡が不動産上の権利の公示方法とされるような傾向もみられ、この点に社会法的立場から、不動産と動産の区別の再構成が考慮されろ必要の一端がうかがわれます。

スポンサーリンク

お金を借りる!

権利主体と権利能力/ 権利能力の始まり/ 権利能力の終了/ 意思的行為能力/ 民法での無能力者/ 無能力者の能力制限と保護者/ 法人の存在意義/ 法人の概念/ 法人の種類/ 社団法人・財団法人の扱い/ 法人の権利能力の範囲/ 法人の行為の実現者/ 権利の客体/ 民法上の物の分類/ 財産の基本的区別/ 不動産とは土地と建物/ 動産とされる物/ 集合体や物の一部の取扱い/ 権利義務の関係/ 代理制度/