民法上の物の分類

民法上では物の種類として区別して掲げているのは、不動産と動産、主物と従物、元物と果実になります。この他、物は講学上、様々な基準により分類することができます。これらの分類は主として物権法上意味あるものですが、債権開係など財産取引に関する思考上も必要な区分ルールだといえます。
物は民法上の基本的分類区分のほか、以下のような講学上の区別ができます。単一物、合成物、集合物これは、物の形態上の区別であり、一個の物として権利の客体になるのどのような物かを策定するのに区別の実益があります。単一物は、物の各講成部分が個性を失って、単一な形態をなしているものをいいいます。木材やガラスなど法律上一個の物として取り扱われる典型的な場合です。合成物は、家屋や自動車や時計などのように、数個の物が結合し、一個の物を組成するものをいいます。構成部分が識別される点において単一物と違いますが、構成部分に個性はなく合成物を一個の物とみます。取引上、法律上は単一物と同様に取り扱われます。

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集合物は、図書館の蔵書、商店の商品、企業財産などのように経済的に単一、独立の作用をなす物の集合している状態のものをいいます。集合物は一体として一個の物と認められないのが通常ですが、近年では集合物を一個の物として取引の対象にすることができるとする学説や、特別法によって集合物が一個の物として取り扱われる例が多くなってきています。
物が法律上取引の客体となるかどうか、取引能力があるかどうかを標準にして考えると、融通物と不融通物の区別ができます。いかなる物が取引の対象にならないのかを明確にする必要があるわけであり、原則として道路や公園などの公用物、公共用物、禁制品は不融通物として取引の対象にできません。
一般取引において、その物の個性を重視し、その客体を任意に代えることのできない物を不代替物といい、単に種類に着眼して、その客体を同種、同質、同量の物に置き代えても当事者に影響を及ぼさないのを常とする物を代替物といいます。消費貸借と寄託の法律関係につき区別の実益があります。
具体的取引において、この家とかこの車とかいうように、当事者が物の個性に重きを置いて定めた物を特定物といい、単に車一台とか米一俵とかいうように、種類、品質、数量によって定められた物を不特定物といいます。この区別の実益は、債権の効力や保管の注意義務に関して実効があります。
物の用方にしたがって一度使用されると再び同一用途に使用できない物を消費物といい、一回使用されても再度同一の使用に堪える物を非消費物といいます。この区別の実益は、消費貸借、賃貸借、寄託などについて生じます。
物の性質を変えることなく、または著しくその価格を損じることなく分割できる物、金銭、米麦、土地などを可分物といい、そうでない物を不可分物といいます。区別の実益は、一個の物を共有する場合や、分割債権か不可分債権かの区別をする場合などにあります。

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