権利の客体

権利があるということで、その権利主体に帰属する社会的利益を権利の客体、あるいは目的といいます。権利は形式的には法律上の力ですが、実質的に観察すれば、待定の権利主体に帰属する社会利益を画定したものであるということができ、全ての権利、例えば物権は一定の物を直接排他的に支配し、債権は待定人に対して特定の行為を要求するというように、一定の社会的利益をその内容とし目的としているのであり、これが権利の客体として意味づけられます。権利の客体が何であるかは、その権利の種類によって様々ですが、財産的法律関係においては物が最も重要です。
権利の客体となるものは、その権利の種類によって違い、物権の客体は物ですが、債権の客体は特定人の行為、つまり給付であり、親族権の客体は一定の親族関係に立つ人の相互問の関係であり、人格権の客体は、権利者自身の人格的利益であり、無体財産権の客体は、著作、発明などの精神的創作物であり、形成権の客体は、取消の対象になり契約解除の対象になる法律関係です。
このように権利の客体になるのは答種客様ですが、人格そのものまたは人の行為を客体とする権利に対して、物を客体とする権利は、その意思に関係なく絶対的に支配することができるために、物は権利の客体として特殊の性質を持ちます。しかも近代的経済社会における法律関係は、直接間接に人と財産との関係として表れてくるので、物は権利の客体として重要な意味を有しています。例えば物権は物を直接の対象にする権利であり、債権は相手方にある行為を請求することを目的とする権利ですが、現実的にはあるいは金銭や品物の引渡、あるいは土地や家屋の引渡など,物がその対象になるのが普通です。そこで、民法は物に関する現定を総則編中に設けたのだといえます。

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