法人の行為の実現者

法人は自然的な生活体ではないために、その頭脳となり手足となる者がなければならないわけで、それは結局法人のためにする自然人の行為に頼らなければなりません。この法人の頭脳となり手足となるのが自然人によって構成される機関、理事、監事などで、その機関の行為が法人の行為と認められるのです。民法上、理事は執行機関、代表機関として、社団法人と財団法人の必要必置の機関であり、社員総会は意思決定機関として自律法人たる社団法人の必要機関です。また、法人に監事、顧問、相談役、評議員などの名称の機関が設けられることがありますが、これらは民法上は定款または寄附行為によって特に設置される任意機関です。

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法人の行為の実現者は、その法人を代表する機関ですが、それは理事になります。民法第44条は、理事を代理人といっていますが、正確には代表者といわなければなりません。ところで、法人とその代表機関との関係は、代埋人と本人との間において代理人のなした法律行為の効果が直接本人に帰属するというような、独立した個人間における関係とは異なり、法人の代表機関がその資格においてなした行為は法人自身の行為であるという団体法埋に基づく、より密接な関係なのだという理解にたちます。しかし、法律行為の代表といっても、技術的な法律上の要件および効果は、結局において代理の場合と異なりません。したがって、理事が法人の代表をなすについては、代理の現定が適用されると解してよく、代表機関の行なう法律行為は、法人のためになすことを示さなげればならず、代表機関がその資格を冒用して私利を営む場合なども表見代理の法理が適用されると解されます。
法人は、自然人と違って外形をもたないものであるために、法人が社会、経済生活の担い手として実際に社会経済活動を営む以上、その存在及び組織内容を広く第三者に知らせておかないと、これと取引をする者に不測の損害を被る恐れが生じます。そこで法律は、法人の組織や内容とくに理事の氏名、住所を登記させて一般に公示し、取引の安全を図っているのです。民法では第三者対抗要件として、主に公益法人の設立登記について現定したほか、その変更登記や解散登記などについて規定し、さらに登記を強制する手段として罰則を設けています。この法人の登記には二つの考え方があり、一つは法人の成立要件とする主義であり、他は対抗要件とする主義です。商法は営利法人について前者の建前を採用しましたが、民法は公益法人について後者の建前をとっています。最近の傾向としては、登記をもってその成立要件とするものが多く、法律開係を明確にする点ではそのほうが優れているといえます。

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