法人の概念

法人は近代社会の発生以来、資本主義経済社会の発展に即応して発達し、法人の権利主体性も消極的な態度から積極的容認の方向へ進展してきました。法人学説も否認説から擬制説を経て現在では法人実在説の立場で説明されています。近代社会は封建的な団体拘束から個人を解放することを理想としたので、初期近代法の下においては、国家以外の団体を排斥しようとしました。したがって、やむを得ず社団法人を認めるとしてもそれは特別の法律によるか主権者の特許を必要としたのです。しかし、自由主義、資本主義の発達過程における資本の集中は、やがて資本団体である会社設立の必要性が生じ、その結果として19世紀半ば以後の近代法は、各種の会社の設立を安易にして、一定の基準の下に自由に社団として法人格を有しうるようにしたのです。これらの事態は会社だけでなく、公益を目的とする社団や財団についてもいえることであって、近代法は、社団、財団の法人格付与に対して否認的態度から、肯定的になり、法的干渉を最少限にする方向へと移行したとしたということができます。

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19世紀後半以来、社団設立の自由を確保した資本団体である会社は、資本の集中に呼応して強大化し、ついに独占の弊を表しました。そこで20世紀の諸法制はでは、社団の強大化を抑制する一方で、その社会化、合理化を図ることになりました。この問にあって、労働者団体や同業者の共同組合が特異の発達を示し、19世紀末以来、その私法上の団体性が認められ、20世紀法においては積極的に団体性を助長しているほどでした。日本においても、憲法および労働組合法によって労働者の団結権が認められ、各種の協同組合法による協同組合化が進み、それぞれ社団法人としてその団体性を強固なものにしていました。このように、20世紀からの社団に対する態度は,自由を基調とする放任的態度を脱して、社団の社会的特質に応じて、あるいは抑制し、助長、強制することによって合理的に規律しようとしているのでした。その一方で法人の機能の普通化にともない、法人格取得を悪用し濫用する事態も生じており、営利法人についてではありますが、近年ようやく法人格否認の法理が問題になってきています。

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