法人の存在意義

法人とは、一定の組織を有する人の集団あるいは一定の目的をもった独立の財産に法律によって権利主体たる人格を認めたものをいいます。法人格を認められた社団を社団法人といい、法人格を認められた財団を財団法人といいます。具体的には、会社、学校、宗教団体、慈善団体、各種の組合などが法人であり、それらは会社の名において人を雇い取引をおこない、学校の名において教師を雇い学生を募集するという活動をしています。
現代の複雑な経済、社会生活の下においては,個々の自然人の限りある生命や財産や活動力だけでは、とても遂行できないような大規模で永続的な事業が存在します。これら現代的な要請を担うためには、多数人の共同体や、一定の目的のために捧げられた独立財産、それ自体に法人格を認め権利能力を与えて,その活動を期待するほかはないということになります。ここに法人制度の一応の存在理由があるのですが、具体的な制度的意味は社団と財団のニュアンスの違いがあります。
人類の社会的生活関係は、個人のほかに各種の団体によって営まれています。この団体は社会的に一個独立のものとみられ、その目的や財産や行動は、団体を構成する個人のそれとは別の団体それ自体のものとされます。この団体は内部においてはその団体目的のために構成員を続制し、外部に対しては構成員各人よりはるかに強大な力を発揮するのであって、個人の力をもってしては達しえられないような大きな目的を達成するという社会的作用を営みます。現在の資本主義的経済取引は、全て会社とくに株式会社によって営まれているといって過言ではありません。社会的に占める団体の地位が上述のようなものであるとするならば、社会的生活関係を規律する法律は、団体法ともいうぺきものを設けてなんらかの規制をしなければならなくなります。そこで法律は、その団体の有する社会的作用に応じて、その成立、内部組織、外部関係などを規制するに至るのであって、ここに社団法人制度の存在意義が存するのです。民法ではこれらの団体の外部関係に重点をおいて権利主体として社団法人なる概念を明らかにしましたが、このような社団については本来、団体法として統一的に規制するのが適当です。
一定の非個人的目的に捧げられた財産の集合、例えば私人の寄付による学校、育英会、図書館、病院などが、社会的生活関係において一個独立の主体性を持つことが多く、この財産は、その利益享受者やその財産の運用者の増減変更とは関係なく、独自の存在を統けるのであって、その社会的有用性は大きくなります。このような財産についてその独自性と永続性を確保するための法的措置をとることが要請されるので、財産の集団そのものを権利の主体として法人格を認める財団法人制度の存在意義が存するのです。

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