意思的行為能力

法律関係は、全て権利と義務の関係として把握されるわけですが、権利能力は、人が自分自身の利益と幸福追求ができるように、その権利を有し義務を負いうるための資格であって、人格平等を基本原埋とする近代法は、全ての人間に平等にこの資格を認めています。しかし、人が具体的に待定の財産を支配し、権利を有し義務を負うためには、そうしようとする意思が働かなければなりません。ここに、権利能力とは別に行動的活動能力が要求され、判断能力、意思能力が問題となります。この場合、幼児などの意思能力のない者の行為は無効とするほかないのですが、共体的場合に意思能力があるかどうかを常に明らかにすることは困難です。そこで近代法では意思能力のない者、及び不十分な者を一括して無能力者として、その行為を取り消しできものとして、その反面において、無能力者でない者は完全有効な行為をすることのできる者、つまり行為能力者としました。

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人の行為は、意思を表現化したものですから、行為能力は、その行為の結果を弁識するに足る精神能力、つまり意思能力を前提としています。この意思能力は自分の行為の動機と結果を判断して正常な意思決定をなすことのできる精神的能力、判断能力のことで、通常人であれば満10歳になれば備えているものと考えられますが、民法では意思能力についての画一的な年齢規定を設けていません。したがって意思能力の有無は、各人各個の行為について個別的に決定しなければならないわけです。ともあれ、法律行為が法律上の効果を生じるためには必ずその行為者が意思能力を有しなければならないのであって、民法では当然のこととして意思能力のない者が単独になした法律行為を無効であるという建前をとっています。したがって、行為者がその行為の時に意思能力が無かったことを証明すると、その行為は無効となるわけです。これは、各個人は原則として自己の意思に基づいてのみ権利を取得し、または義務を負担するとし、近代法上の法諺に基づくものということができます。人の判断能力を法律上広く意思能力というのに対して、法律上の責任を弁識するに足る精神的能力を責任能力いいます。これは意思能力を責任の面からみたものであって、その実体は同一であり、不法行為上の責任を負う能力なので、不法行為能力とも言います。意思能力を有しない者は責任能力をも有しないのであって、民法は、不法行為の責任は、意思能力なしには生じない、ことを明文をもって現定しています。
意思能力のない者の行為は法律上の効果を生ぜず無効であるとすることは、その意思無能カ者を保護することになります。しかし、その無効を主張するには、意思能力のなかったことを立証しなげればならず、これはけっして容易なことではありません。そこで民法は、法律行為について意思能力を有せずまた不完全なものを一律、画一的に無能力者となし、その者のなした行為は、意思能力の有無にかかわらず取り消すことができるものとしてその行為者を保護することにしています。これが無能力者の制度です。これに対して取り消すことのできない完全な行為をなしうる能力を行為能力といい、これを有する者が行為能力者だといってよいことになります。

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