預金契約

預金とは、金銭を預けること、あるいは預けられた金銭のことですが、この預金に関する取引、つまり預金取引は、その両当事者であるところの銀行その他の金融機関と顧客との合意、預金契約によって行われます。
銀行その他の金融機関の現代資本主義社会における役割については多言を要しませんが、銀行業務において、預金は貸付、為替と並んで三大業務の一つを占めています。預金はどのような目的で行われ、どのような機能を果たすのかというと、預金という取引割度は、金銭を預けることから始まり、このことを基礎とするものではありますが、資本主義経済の要請とこれに基づく金融機関の発達ないし金融制度の発展は、預金取引に対し前記の目的を前提に新たなものをつけ加え、取引形態の内部的分化を生じさせました。預金取引の中心的目的ないし主要目的の一つは、金銭の保管の委託あるいは受託ということです。預金者は、金銭を銀行に保管してもらうことにより、これを自ら保管することの手数や危検を免れます。銀行は預かった金銭そのものを預金者に返す必要はなく、預かった金銭は貸付資金その他として運用、消費することができ、約束の時期に、預かった金銭と同額の金銭を払いさえすればよいのだから、保管の対象となるのは、現実の金銭ではなく、無形の経済的価値としての金銭だといえます。
銀行は預金として受け入れた金銭を貸付その他営利の手段として利用することができます。これが銀行の側からみた預金取引の目的であり、預金は銀行の事業資金獲得の基本的な手段をなしています。当座預金や普通預金のような要求払預金においては、預金者はいつでも払戻しの請求ができるので、個々の要求払預金に着目するかぎり、銀行はこれを運用資金にしにくいことになりますが、銀行は多数の顧客を相手に多数口かつ多額の預金取引を継続的に行っているので、その銀行の預金全体についてみれば、実際に日々引き出される金額はその一部にすぎず、しかも引出し額の預金給額に対する割合は一定の法則性を有します。銀行は、このような法則性を利用して、預金総額のある部分を支払準備金として控置し、その余は貸付その他の資金として運用することができます。それに対して、定期預金その他の定期性預金は、銀行として一定期日までは払い戻しの必要がないので、長期の安定した運用資金源とすることができます。銀行は預金として受け入れた金銭の利用の対個として領金者に利息を支払います。したがって、預金は預金者にとっては利殖の手段ともなっており、定期性預金はそのような性格が著しくなっています。
当座預金にあっては、金銭の寄託と金銭の支払いの委託とが結合され、その経済的機能は著しく拡大され、商取引を支える重要な手段となっています。銀行は預金者の委託をうけて手形、小切手等の取立を行います。さらに、第三者が預金者のために預入れをすることもしばしば行われ、殊に隔地第三者からの入金は送金手段として重要な機能を果たしています。これらに加え、銀行が預金著の依願に基づき、税金、公共料金等の納付のため、各預金者の口座から相当額を引き落として、徴収者の預金口座に振り込む自動振替の方法が普及しています。以上のように預金者が実質上銀行に金銭の受払いを代行してもらうことによる利便は言うまでもありませんが、預金者はこれにより、相互に現金の授受なしに支払いを行うこととなるわけで、預金が通貨の機能を営むという現象を引き起こしています。

スポンサーリンク

お金を借りる!

予約契約/ 預金の種類/ 預金契約の法理/ 総合口座取引/ 法律構成/ 郵便貯金契約/ 郵便貯金/ サラリーローン/ 口座振替/ 口座振込/ 保護預り/ 貸金庫/ 代理受領/ 振込指定/ ファクタリング/ ファクタリングの種類と機能/ 銀行取引約定書/ 信用保証/ 現先契約/ 現先契約の法的性質/ 電信送金/ 消費者ローン/ 預金契約の成立/