消費貸借

消費貸借とは当事者の一方、借主が、種類、品等、数量の同じ物を返還することを約して、相手方、賃主から金銭その他の物を受取ることによって成立する契約です。金銭のほか米麦、石炭などのいわゆる消費物、代替物の貸借がこれであり、借りた物それ自体を返さないで、他の同種、同等、同量の物を返せばよいという点にその特徴があります。
自然農業経済の下においては、米、麦などの日常生活必需品の消費貸借が広く行われていましたが、資本主義経済の発展とともに消費貸借の重点は金銭の消費貸借に移り、その点において今日重要な役割を果たしています。金銭の貸借、消費貸借は、高度化した貨幣経済、信用経済の当然の帰結として、単にそれが個別的に行われるだけでなく、公償、社債などの形式をもって集団的、大量的に行われることが頻繁です。しかも、それが個別的に行われる場合についても、単に消費信用の場面に留まらず、金融資本と結びついて巨額の金銭がその対象となって投資の手段となっているのです。つまり貸主にとっては資本の投下手段として、借主にとっては資本の獲得手段として、いずれも利潤追求の経済的意味を持つことになるのです。
消費貸借ことに金銭の消費貸借は、日常の消費信用の面においても、企業経営上の生産信用の面においても極めて重要な作用を営んでいるのであって、次ぎに挙げるように、国家的な立場から具体的に様々な対策が施されています。この施策は多かれ少なかれ消費貸借の私法的関係に触れるものであって、民法の規定も直接、間接にこれによって補充されているとみることができます。
まず資金提供の面から、融資機関の取締りや監督および資金獲得のための制度が考えられます。小口金融においては、借主が貸主に対して弱い立場にあり、貸金の条件が合理的に決定されない恐れが生じる例が多く、そこで業者の取締りが当面の間題となり、このために利息制限法、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律、質屋営業法などがその役割を果たしています。また、小口金融においては不合理な高利の貸借を取り締る一方で、合理的な貸金供与の助成機関が必要であるところから、公益質屋法、国民金融公庫法、労働金庫法、住宅金融公庫法などが制定されました。

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