贈与

贈与とは当事者の一方が無償で、自己の財産を相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受けることによって成立する契約です。諾成契約、無償契約、片務契約である点に特色があります。その当事者を贈与者および受贈者といいます。
資本制経済以前の社会においては、贈与も、共同体内における財貨流通のメカニズムとして、いわゆる贈答的交換として、お返しを義務付けつつ社会における物資分配の機能を担っていたようです。しかし、資本制経済と貨幣の発達により、商品交換の法的子段としての売買が優位を占めるようになると、徐々にその機能は狭められ、僅かに資本制経済を規制する近代的法理の浸透の及ばない庶民の生活分野において意味を持つにすぎないものになっていきました。そこで近代市民法における贈与の法的扱いも、かつての贈答的交換機能にみられた有償的贈与の性格は否定され、無償のものとして脇役的地位に留まることになったのでした。現実の社会に事実として存在する贈与は、無償契約の典型として意味を持ち、家族的な助け合いや扶養、仲間的協同生活に由来する好意と感謝などの表れとして、愛情や交誼を保つ手段として、法外的規範を形成しているほか、法律的にも遺贈、死因贈与として機能し、贈与税の対象になるなど問題があります。

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