契約の成立と効力と解除

契約は、当事者の意思表示の合意によって成立します。この意思表示が合意する過程を考えてみれば、通常、はじめにに申込の誘引があり、これが動機となって申込がなされ、その申込に対して承諾が与えられて合意に達することになります。このように契約は、申込と承諾が合放することによって成立するのが普通ですが、時には形式上承諾がなくとも、承諾があったと同程度の事実があれば、そこに契約の成立を認めてよい場合があり、また申込が交叉してなされた場合には、形式上申込に対する承諾があるわけではありませんが、やはりそこに意思の合致があるといえるために、契約の成立を認めてよいということになります。
民法は521条以下に、申込と承諾によって契約が成立する普通の場合を想定して、隔地者問で前後して申込と承諾の意思表示がなされたときは、承諸を発した時に契約が成立することを明らかにし、その時間的関係につき主として規定しましたが、意思実現、交叉申込によって契約が成立することも認めており、さらに契約が懸賞広告によって成立することのある特珠な事例についても規定しています。

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契約成立の過程を実際取引に即して考えると、本式の契約に入る前に予備的交渉がもたれることがあり、これにいかなる法的評価が与えられるかが、前契約、内約の問題として検討されなければなりません。これに関連して、近年、クーリング・オフの制度やオプションが問題になり、民法上の予約や手付についても考えておかなければなりません。
予約とは、本契約を締結することを約する別の契約です。実際取引において当事者が本契約の成立を先に延ばし将来本契約を締結することを約するに停めておく場合があります。予約が行われると、その一方当事者が予約で定められた契約の申込をするときは、相手方はこれを承諾する義務を負うことになります。予約の一方当事者だけがこの承諾義務を負う場合を片務予約といい、双方当事者が負う場合を双務予約といいます。この片務予約は、売買において実際上しばしば行われるもので、民法は売買一方の予約としてこれを規定し、売買の一方の予約は相手方か売買を完結する意思を表示したる時より売買の効力を生ずるものとしています。なお、この予約に関連して、オプションという英米法上の制度が用いられる例がみられます。重要な契約締結の前提として行われるオプションは、仮発注ないし仮契約ともいうべきもので、オプション契約に基づく申込により本契約の締結が強制されることになります。
契約に当たって手付が交付された場合は、契約が成立した証拠になる他、違約手付、解約手付の意味である場合があります。違約手付は、手付の交付をもって履行確保の手段とするものであって、手付を交付した当事者が契約上の債務を履行しない場合は、受領者の方で没収することができます。違約金と同様な作用を有するといえます。解約手付は、手付の交付をもって解除権留保の手段とするものであって、交付者は手付を放棄し、受領者は手附の倍額を返還することによって契約を解除できます。このように手付には、様々なものがあるので、実際に援受された手付がいかなる性格のものであるかが不明な場合があります。この場合は当事者の意思解釈によってきまる問題なのですが、民法では有償契約の典型である売買契約につき、特別の意思表示のないかぎり、解除権を留保するために授受されたもの、すなわち解約手付であると推定しています。手付損倍返し、手付流れという日本の古くからの取引界の慣習をとりいれたものといえます。

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