契約自由の制限

公共的性格を有する事業については、契約締結の自由は制限されています。特に、電気、ガス、水道などの独占企業および公証人、医師、交通運輸などの公共的性格をもつ事業は、契約の申し込みを受けたときはこれに応じる義務があり、それぞれの関係法規によって規律されています。社会法原埋の規制を受ける生活関係にあっては、社会政策的立場から、承諾が義務づけられるなど締結が強制される場合が多いことに注意が必要です。

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契約の締結が強制される場面においては、同時に相手方選択の自由は奪われており、契約締結者の経済的、社会的地位が著しくかけ離れているときも実貿的には相手方を選ぶ自由はなくなっています。このような事態においては、契約の締結により、特に一定の者を排斥してはならないとか、あるいは一定の者を選ばなければならないという制限を受ける場合が多くなります。労働組合員だから雇わないということが不当労働行為とされることは前者の例であり、配給制度における切符制、登録制などは後者の例です。なお、交通運輪の契約やガス、電気の供給契約などは、事実上の相手方を選択する余地がないといえます。契約の内容は、強行法規や附合契約などによって制限されます。
民法の規定や特別法によって、個別的に契約内容が制限される場合が多く、特に弱者保護の建前から、流質契約の禁止や、利息制限法、農地法、借地法、借家法、労働関係諸法などの社会立法による制限がなされていることは重要です。
契約の内容が、契約当事者である企業者によって一方的に決定され、他方がこれに附従するほかないという場合があります。電気、ガス、交通運輸などの独占的企業や銀行、保険などの営業にみられる契約形態がこれであり、これを附合契約といいます。この附合契約は、契約の大量的、反覆的な成立を狙って定型化されたものであり、巨大化、組織化された経済機構においてはそうせざるをえない経済的必然性がみられたのですが、契約内容があらかじめ一方的に定められているために、その相手方は自分の意思で自由に契約内容を決定することは困難です。それゆえに、このような契約の条項を定めるについては、あらかじめ国家の承認を受けることが義務づけられており、国民経済、国民生活全体の立場からその合理性を確保しようとしています。
契約内容は、社会的立場からも大きな制限がなされます。社会政策的見地から制定された特別法による契約自由の制限がほとんどですが、裁判官による契約内容の改訂もこの趣旨でなされると解されます。
近代法上の契約は、不要式のものが多く、要式契約は成法上多くはありません。しかし契約内容の画一的定型化が進むにしたがい、契約も書面化した方が内容明確となり争いも少なくなるために、実際においては書面化される場合が多くなります。近年は方式自由に反して、成法上も書面契約化する傾向がみられます。例えば弱者保護の立場からする小作契約の書面化、労働契約上の諸規定や、取引の安全、敏速のために要求される有価証券の制度、株式申込証などに関する商法上の諸規定にその例が多くなっています。

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