契約の意味

契約とは意思表示に基づいて権利義務の変動をもたらす法律行為の一種であり、二個以上の対立する意思表示が合致すること、つまり合意あることによって成立します。債権法上で契約というときは、債権の発生を目的とする債権契約を意味しますが、一般に広く契約というときは、物権や身分関係の設定や変更を目的とする合意など、全ての当事者間の合意を総称しています。個人の意思を尊重する近代法の下においては、相対する当事者の法律関係を決めるには、必ず合意が必要であるとともに、合意によって成立すると考えられるところの法律関係は、広く契約と呼ぶことができるのです。

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日本の民法では狭い意味での契約、債権契約について詳細な規定を設けて、広い意味での契約、物権契約、身分契約などについての一般規定を設けませんでした。当然、契約も法律行為の一種なのであるために、民法総則の法律行為に関する一般規定が当然に適用になりますが、これは契約それ自体の通則ではありません。そこで、一般の広い意味での契約につき、債権契約に関する規定を準用してよいかどうかが間題になります。この点について一般の理解では契約は、債権契約であってもその他の契約であっても合意を本質とする点において著しい差があるわけではないために、契約の通則的規定は、できるだけ他の契約に準用してよいものと解されています。
近代法では各人の生活関係は全てその意思、合意に基づいて規則されるという意思自治、契約至上の思想があります。これは、人類の歴史を通しての長い生活的努力の間に、契約によって規律される生活関係が次第に拡張した結果として到達した近代法の原則であるといえます。契約は資本主義経済の発展とあいまって自由競争を活発にし、法律上契約自由の原則を確立して、社会上重要な役割を果たすのです。
近代社会における生産、取引の様式の中心的なものは、資本主義的であり、それは等価交換としての商品交換を媒介として運行されています。契約が果たしている機能の重要なものは、この資本主義的生産、再生産を媒介する商品交換の法的手段としてであって、生産過程において資本を蓄えや金銭消費貸借、売買、賃貸借契約、雇傭、労働契約、消費過程において物資を獲得して衣食住を確保するのも、消費物資の売買契約、住居の賃貸借契約など、全て契約によるものであり、この契約を通じて生産、消費、再生産が接続して繰り返され、資本主義経済の円滑な運行が図られているのです。現実の社会に機能している契約には、必ずしもこのような等価交換を内容とする近代的資本経済社会の機構に副うものばかりとは限らず、恩恵的、前近代的要素の入りこんだ内容の契約が、生活のかなりの分野に機能している現実を否定できません。しかし近代法、近代市民法は資本制生産、再生産の機構の中で機能する契約を中心にその規律を行っているのだといえます。

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