婚姻法の特色

家族関係は、男女の結合である婚姻を基点として展開するものですが、この婚姻は男女の性的結合関係そのものではなく、それが婚姻だというためには、男女の結合がその属している社会や国家によって承認された関係でなければなりません。このような規制は、歴史上、慣習や道徳、宗教などの社会倫理規範によってなされ、様々な婚姻形態がみられましたが、近代社会においては法律上、自由な意思に基づく一夫一婦の婚姻制度が樹立したのです。
日本でも時には通婚や一夫多婦婚があり、習俗的儀式をともなう親の代諾による婚姻があったりしましたが、現在では当事者の自由な合意に基づく、法的届出によって成立する一男一女の婚個が確立しています。旧法上の婚姻法でも近代的婚姻制度の確立を図りましたが、いまだ家制度による制約や夫権の尊重など封建性の拭いきれないものがありました。婚姻は夫と妻という個人的な関係というより、夫の家に嫁入りするという家族制度的関係が強調され、人の妻であるより、家の嫁であることが重視されたのです。婚姻には戸主や親の同意が必要だとされ、跡とりの婚姻制限や、婿養子とか入夫婚姻という複雑な婚姻制度があり、妻は無能力者として夫権に隷属し、離婚原因が夫側に有利であったなど、封建的要素が残存していました。これに対して現行法では婚姻は両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本とすることを明らかにした現行憲法に従い、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本原理として、近代的婚姻制度を確立することになりました。つまり個人尊厳の原理から、婚姻を家と親の権力から解放して、家のための婚姻制度を止揚し、自由なる意思に基づく一男一女の婚姻制を確立し、両性の本質的平等の原理から、妻を夫の拘束から解放し夫権制度を廃止して、夫婦の協力扶助に基づく婚姻制度を樹立したのです。

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