保証限度額と利息

保証人の保証債務の範囲については、民法四四七条一項では、保証債務は主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償其他総て其債務に従たるものを包含す。と規定しています。この規定は、保証契約の当事者間において、契約締結に際し、保証債務の範囲について、明示または黙示の特約をしなかった場合に保証人の責任につき、当事者の意思解釈の基準を定めたものとされています。そこで、一般的にいうならば、保証人の保証責任は、特約のないかぎり元本金額のほかに、利息、違約金、損害賠償その他すべてその債務に従たるものに及びます。ただし、利息、違約金などは、保証契約成立の当時までに、それらを生じるべき特約のある場合に限られます。保証期間の定めのある場合には、期間内に発生した債務から生じる利息に限られます。もっとも、期間内に発生した債務から生じるものであれば、期間後に生じた利息でも保証の対象となります。

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保証人の責任の限度として、極度額の定めがある場合には、その限度内であるかぎりは、主債務が弁済によって縮減、消滅しても、さらに新たな貸出に応じて拡大し、保証人が責任を負うぺき時期の貸出残額について保証の責任があることとなります。そこで、さらに極度額の定めがあるときには、利息は、いくらまで保証されるか、つまり、極度額の定めのあるときは、保証人の責任の限度は、元本についてのみ、極度額の拘束をうけると解すべきか、元本利息をあわせて、極度額まで保証責任が生じるかの問題です。しかし、そのいずれであるかは、結局、当事者の意思解釈の問題に帰するというべきです。この点については二つの考え方が可能で、一つは元本について極度額を定めたのであれば、元本は極度額まで責任額が限定されますが、利息については制限がないということになります。他は、元本、利息あわせて極度額に責任額が限定されるということになります。また、面方の場合もあり得るし、結局は当事者間での極度額の定め方によって定まると解すべきです。前者の性質をもつ極度額を元本極度、後者の性質をもつ極度額を債権極度と呼んでいます。なお、当事者の意思が明確でない場合には、債権極度の趣旨と解すべきです。それはこれが、保証人の通常の意思であろうと思われ、保証人の責任を軽減しようとする学説、判例の傾向にも合致するからです。したがって、債権者としては、元本極度を希望するときには、明示的な特約をするか、あるいは、利息を含めた極度額によるとか、契約締結の段階で、債権者としての目的を達成することができるのであり、この解釈によって、特に不利益な立場に立つことはありません。この問題に関して、裁判例としては、当事者の意思が明確でない場合には、債権極度であると解すぺきであると判示し、その理由として、他人の債務につき根保証をなす者は、人情として常にその責任の過大ならざるを欲するのが普通であり、極度額を付すのは、その保証責任を局限しようとするものであるから、特別な意思表示のないかぎりは、利息に対する保証債務の範囲も、その元金とあわせて極度額の範囲内に限られるべきであり、また、債権者において、こうした不利益を免れようとすれば、元本極度の特約を結ぶとか、あるいは限度額をより高額とするとかの手段によって、容易に目的を達することができるというべきである。と述べています。

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