損害担保契約

損害担保契約とは契約当事者の一方が、その相手方に対し、後者が一定の事項から被ることあるべき損害を填補することを引き受ける契約です。附従性、補充性を欠く点で保証と区別され、連帯債務とも異なります。その特質は主たる債務者に該当する者が其体的にきまらない段階で、債務者の人を問題としない結果責任として、債務関係から独立した第三者としてある危険を引き受けるという点にあります。日本において、損害担保契約としてあげられるものには、近年、売買契約の際の品質保証、あるいは保検契約、さらには身元保証などかなリ広範囲に及ぶものがあげられます。このように多様な面に及ぶ概念であり、しかもその意義付が、独立的な結果責任という抽象度の高いものであるだけに、実用法学的な概念として、損害担保契約という概念がはたして有用かどうかということにも疑問が出されています。

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現在の法制度との関連でみれば身元保証契約と損害担保契約との関連が問題となります。損害担保契約は通常の保証とは異なりますが、債権者A、債務者Bがいる場合に、Aに対して、AB間の債務関係から生じる全ての損害について責任を負うという場合は、Bがいるので、外形的には保証と類似することになります。身元保証の場合もそのような色彩はないのかということになります。身元保証契約は、被用者に関する一定の事由による損害の賠償、もしくはそれとともに損害の発生の防止を目的とするところの広義の保証契約であり、その性質をどのようなものとしてとらえるべきかについて、身元保証契約の原則的類型は、附従的保証か独立的保証かという問題があるとしています。学説上、広義の身元保証契約は二つの類型に分類されています。第一は労働者がその責めに帰すぺき事由によって使用者に損害を与えた場合においてのみ保証人の責任を生じるとする形能で、この場合は、労働者に損害賠償責務のあることが前提となり、この債務の保証ということで民法上の保証と同じことです。第二は、広くその労働者の雇入のために使用者に損害を負担させないことを担保する形態で、この場合は、労働者の負但することあるべき損害暗償義務の担保だけではなく、労働者の雇入によって生じてくる一切の損害の担保、場合によっては労働者が病気その他の事由によって就労できないときは引きとる、あるいは治療費その他の費用負担をも約するものです。前者を身元保証といい、後者を身元引受としています。このような分類には批判的な意見もあり、保証を附従的保証と独立的保証との二つに分け、前者をもって現代身元保証の原則的類型とする意見もあります。独立的保証たる性質を有するものは、前代の人請の遺制として残存するものにすぎないとしています。損害担保契約はむしろ独立的保証の性格を有するものであり、この点からすれば、身元保証契約を原用として損害担保契約とみることはできません。身元保証の原則的類型を附従的なものとされるが、なおかつ詳細な身元保証契約の社会学的分析にもとづいて身元保証人の責任制限を展開させています。また、品質保証と損害担保契約との関連が議論とされています。品質保証は、売買契約および請負契約自体の内容として、したがって瑕疵担保責任に関係するものとしてなされるばかりではなく、売買契約および請負契約に際して、それと独立した契約、つまり損害担保契約としてなされることも可能であるといわれます。前者が従属的保証約束とよばれるのに対し、品質保証が売買契約あるいは請負契約の内容から離れて僥倖的要素をもったときには損害担保契約になります。むろん、何が僥倖的であるかは具体的に判断せざるをえません。
損害担保契約の効果、担保引受人の責任内容については、一般的には当該担保契約の契約内容、その解釈によって定まるとされます。確かに、損害担保契約は、担保引受人に強度の独立した責任を負わせたものであるために、効果、責任内容にもそのことは当然反映するはずです。しかし、独立的保証としての性格を有する身元保証が存する場合に、現代における身元保証契約の実態からみて、直ちに契約内容に定められた厳しい責任を身元保証人に負わせてよいかどうかは問題があります。身元保証の現代における原則的類型を附徒的保証に求めた背景にはその配慮があると思われ、このことは、担保の範囲、期間などに影響を及ぼすことになります。
品質保証における損害担保契約の効果については必ずしも身元保証と同じ扱いにならない側面を有しているように思われます。商品販売に際してメーカーとユーザーとの間に、メーカーの修補義務を内容とする損害担保契約が結ばれていると見うる場合は、ユーザーは、メーカーに対しその履行を請求しうることになります。そのことはまた確実に履行されることにならなければなりません。その他、損害担保契約の具体例として債権の売主がその債務者の支払能力についてなした保証、公共の目的のためになされる貸付について公共団体のなす保証などがあげられますが、それぞれの場合に応じて具体的にその要件、効果を判断する必要があります。

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