破産裁判所

破産手続を取り扱う裁判所を破産裁判所といい、どの破産裁判所に申立をするべきかは管轄によって決定されます。破産事件はその大小にかかわらず、また債務者が自然人か法人かにかかわらず地方裁判所の専属管轄に属します。破産の申立てに対する申立て棄却の裁判に対し即時抗告がなされ、抗告裁判所たる高等裁判所が原裁判を取り消し破産宣告をした場合でも、その後の手続は地方裁判所が破産裁判所としてこれを行ないます。
債務者が営業者で営業所を有するときは主たる営業所の所有地を管轄する裁判所になります。会社法上は定款上の本店を指しますが、形式上の本店と実質上の本店とが相違するときは、営業の現実の中心地である実質上の本店を指すと解すべきです。
外国に主たる営業所を有するときは、日本における主たる営業所の所在地を管轄する裁判所になります。
債務者が営業者でないとき、営業者であっても営業所を有しないときは、その普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所です。
相続財産に関する破産事件は、相続開始地を管轄する裁判所になります。
上記の管轄裁判所がないときは、債務者の財産の所在地を管轄する裁判所です。その財産は破産財団を構成する一切の財産を意味するために、不動産たると有体動産たると債権たるとを問いません。債権については裁判上の請求をなすことのできる地が所在地とみなされるために債権については第三債務者の普通裁判籍の所在地、物の引渡を目的とする債権、および物上担保権を有する債権は物の所在地ということになります。したがって財産が複数の裁判所の管轄区域に散在している場合はいずれの裁判所に申し立ててもよいことになります。

スポンサーリンク

お金を借りる!

破産事件は地方裁判所の専属管轄であるために、高等裁判所で破産宣告がなされるのは地方裁判所による破産の申立棄却の裁判に対して即時抗告がなされ、抗告裁判所たる高等裁判所で原裁判を取り消し自判する場合にかぎられます。破産宣告をした裁判所が地方裁判所の場合と高等裁判所の場合とで破産宣告の効力の内容に相違はありません。しかしながら不服申立の可否、方法において相違が生じます。つまり、地方裁判所で破産宣告がなされたときは破産宣告はただちに効力を生じますが、利害関係を有する者で宣告に不服のある者は即時抗告をすることができるのに対して、抗告裁判所たる高等裁判所で破産宣告がなされた場合は、再抗告の提起が許されずただちに確定し、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法違反があることを理由とする特別抗告のみが許されるだけです。なお抗告裁判所が破産宣告をする場合の附随的な問題として同時処分は抗告裁判所がするべきか破産裁判所がするべきかの問題があります。これについては、条文に忠実に抗告裁判所が決定するぺきとする説、本来破産裁判所が決定することを法は予想しているので破産裁判所が行なうべきだとする説、少なくとも管財人の選任は抗告裁判所において行なうべきだとする説があります。債権者集会や債権調査期日は破産裁判所が施行するものでり、破産管財人の選任についても破産裁判所のほうが適材を得るための資料をより多く有しているのが通常と考えられるので、実務的には破産裁判所が行なうべきだとする説がもっとも便宜です。しかしながら法文の文言上および破産制度が破産宣告と同時に破産財団の管理処分権が債務者から破産管財人に移転するという建て前をとっている以上破産宣告後破産裁判所が破産管財人を選任するまでの間に空白の状態を生ぜしめることは認めがたいので、析衷的ではありますが管財人の選任は抗告裁判所でおこなう説が妥当といえます。もっとも法的にも実務的にも最も問題がないのは、抗告裁判所が原裁判を取り消すだけで破産宣告をせずに破産裁判所に差し戻すことです。

お金を借りる!

破産制度/ 和議制度/ 破産宣告と合憲性/ 倒産手続が債権者にもたらす制限/ 破産手続の準則/ 破産申立の乱用/ 私的整理と破産/ 破産裁判所/ 破産能力/ 法人の破産と個人の破産/ 相続と破産/ 破産宣告/ 破産申立できる債権/ 破産申立の時効中断/ 破産申立の方式/ 破産申立の審理/ 破産申立の裁判/ 破産申立に対する不服申立/ 破産申立の取下/ 破産宣告前の保全処分/ 破産和議開始前の保全処分/ 財団の増減と保全処分/ 強制執行停止の保全処分の可否/ 破産宣告の効果/ 破産と貸倒金の処理/ 倒産と貸倒金処理/ 破産の取消し/ 破産管財人の選任/ 破産管財人の法的地位/