和議条件

和譲条件とは、債務者が債権者に受けいれて欲しいと希望する譲歩の条件で、弁済の方法、担保を供しようとするときはその担保、その他の条件である和議手続は、終始、和議条件をめぐってすすめられます。その意味で、和議条件は和議手続の中心課題です。債務者は、申立てに際して、必ず和議条件を裁判所へ申出なければなりません。和議法による和議では、整理委員に和議条件の適法、実行可能性について、必要な調査をなさしめ、意見書を提出させます。それらにもとづいて、裁判所は、和議条件が違法であるか、和議債権者の一般の利益に反するときは、和議の申立を棄却しなければなりません。和議開始決定後の債権者集会においても、和議条件の適法性、履行可能性を中心に、可否が決せられます。

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和議条件は、各債権者に平等でなければなりません。これを和議条件平等の原則といいます。同様の規定は、会社更生と特別清算にみられます。いずれも弁済条件について、公平の原則を貫こうとするもので、当然の基本原則を確認的に規定したものです。また、和議条件、更生計画案、協定案は、多数決で可決されるために、平等原則は債権者保護のために、多数決の濫用を防ぐ機能をもっています。したがって、和議条件で不利益を受けるものの同意があれば、不平等な扱いをしても差支えません。ここで、和議条件というのは、弁済の割合だけを指すのではなく、弁済の時期、担保の設定、利息損害金の付加などを含みます。
平等とは、各債権者に対し、平等な割合で弁済その他の利益を与えることをいい、単に計算上の平等だけでなく、実質的な公正と衡平が要請されます。届出をしない債権者や知れない債権者を弁済の対象から除外するのはもちろん、利率の異なる債権や無利息の債権がある場合に、一率に利息債権全部を免除するのは、平等原則に反します。これに反して、利率を異にする債権を有する和議債権者に、ある日時以後の利息損害金を免除させる和議条件は、債権者の平等を害しないとされます。
和議条件平等の原則は、絶対的なものなのでしょうか、あるいは、少額債権や下請企業の債権を優遇することは可能なのでしょうか。この点に関連して、会社更生法では、更生計画の平等原則に関する同法二二九条但書において、更生債権者及び更生担保権者については、その債権の少額なものにつき別段の定めをし、その他これらの者の間に差等を設けても衡平を害しない場合は、このかぎりでないと定め、また、更生計画認可前においても、中小企業者の債権や少額債権について、特別の弁済許可の規定を設けています。特別清算の協定案についても、同様に平等原則の例外が認められています。これらは、いずれも社会政策的考慮と手続の簡易迅連化のための規定です。少額債権は、通常、中小企業などの経済的弱者であることが多いのですが、少額債権が常にそうであるともかぎりませんが、早期弁済を認めて、手数と費用を省き、手続の簡素化をはかるのが目的であるともいわれています。
和議条件に関しては、このような規定はありません。しかし、和議条件の平等原則については、実質的平等が確保されれば、形式的に不平等であってもさしつかえない、というのが現在の通説です。したがって、一般的に少額債権や下請け企業の債権を優遇することは、和議条件平等の原則に反しないと考えられます。
少額の範囲は、債務者の規模、負債総額、弁済資力および債権者の有する一人あたり債権額の分布などとの関係で、相対的に決めるほかはありません。下請企業の概念については、会社更生法一一二条の二第一項が参考になります。そこでは、その債権者が債務者を主要な取引先とする中小企業であることが要件です。その場合の中小企業の範囲は、必ずしも中小企業基本法二条の定義にしたがいません。債務者と債権者の規模の比較によって、相対的に決めることになります。そのほか、債務者への依存度がある程度高いことや、優遇弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障をきたす恐れのあることも加味すべぎです。そうなれば平等原則の例外は、必ずしも、下請企業にかぎらず、中小企業全般に認めてよいことになります。ただ、現実に和議条件の立案にあたり、どの程度まで、差を設けられるかは疑問です。和議申立債務者自身、中小企業である場合がほとんどです。債権者のうち、少額債権者や中小企業の占める割合が多いこと、優遇措置を望む債権者がはとんどすべてであることから、合理的な差別として債権者の理解を得ることは、なかなか困難です。少額債権については弁済を簡素するため一括弁済とする程度にとどめ、ケースバイケースで判断するしかありません。

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