破産式確定

債権調査期日において、管財人からもまた他の債権者からも、異議が述べられなかったとは、届出債権の存在、額、優先権および劣後的部分の区分は、届出のとおりに確定します。一且異議が出ても、後で撤回されたときは同様となります。裁判所は、調査の結果を債権表に記載することを要しますが、確定した旨の債権表の記載は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有します。つまり当該の届出債権者と債権者全員との間において、届出債権者はその主張する額、順位等にしたがって、破産手続に関与する資格を有する旨を宣言する確定判決があったのと同じ効果が生じ、これを基礎として、届出債権者は配当にあずかる権利を承認せられ、他の債権者も爾後、これを争うことができなくなります。破産判決と同一の効力が既判力が生じると解するのが通説ですが、確認的なものにすぎないとする反対説もあります。これに反して破産者が異議を述べてもこの効力は遮断されません。破産者の異議は破産終結後その債権の存在、額を争い債権者からの債権表の記載にもとづく強制執行を阻止する意味しか有しません。このようにして破産債権は、破産法独特の仕方で確定されるので、これを通説は、破産式確定とよんでいます。管財人または破産債権者からの異議ある債権については、後述の債権確定訴訟によって異議の解決がはかられます。

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異議の撤回が許されるかについては、従来争いがありましたが通説、実務の取扱はそれを認めています。異議は異議者自身の固有の権利であり、その撤回は不必要な訴えの提起、追行を排除しえ、異議を述ぺられた債権者にも利益となるからです。また破産管財人も届出債権につき疎明不充分な場合、一応異議を述ベるということも考えられるからです。撤回の時期は債権調査期日のみならず期日終了後でも実務では認めています。その方式は裁判所に対する申述によるべく裁判所はそれにもとづいて二四九条の準用により儀権表の更正という手続によっています。異譲の撤回によって異議の効力は消滅します。つまり異議がない状態になるので届出債権はいわゆる破産式確定となります。
債権表記載の真正でない確定債権に対しては、破産管財人、各破産債権者および破産者から次のような方法で不服申立てをなし得るとされています。
民訴法一九四条による更正、異議が述べられたのに債権表にはその旨の記載がないとか、あるいは、異議を述ぺる者がなかったのに異議があったように間違って記載されているような場合にこの誤った記載によって不利益を受けるものから民訴法一九四条を類推適用して債権表に明白な誤謬があるとして更正決定の申立をすることができます。これに対して、証拠調べの必要があるとして執行方法に関する異議によるべきだとする説も有力です。
破産法二六三条一号による更正、破産法二六三条一号は配当表を更正すべき事由が生じた場合には、破産管財人に対して直ちにこれを更正すべきことを命じています。
無効確認の訴え、破産法二四二条は確定債権の債権表への記載の効力は確定判決と同一の効力を有すと明記しているも、債権表への記載自体を確定判決と同一の効力を生じさせるものでなく、確認的意味を有するにすぎないものであると解した場合は、争いがある場合には無効確認の訴えにより、破産債権たり得ないものが、破産債権としてその旨記載されたときでも、これを争うことができます。
再審の訴え、二四二条の効力を既判力と解した場合は、民訴法四二○条掲記の再審事由があるときのみは再審の訴えを提起し得ます。訴えの管轄は破産法二四五条を準用し破産裁判所の専属管轄と解されています。再審の理由があるときは、債権の確定を取り消し、債権調査期日に適式の異議があったものとする判決がなされることとなります。異議の撒回についても同様に考えられます。したがって、不正な示談が行われた場合は詐欺による債権の確定であるとして管財人および他の債権者は再審の訴えを提起できます。
請求異議の訴え、確定債権に対して、債権表記載後に弁済、相殺、混同、放棄等により債務の全部が消滅した場合、民訴法五四五条に準じ請求異議の訴えを起こすことができます。

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