破産債権の調査と確定

破産の場合、破産宣告までの債権者は破産債権者とよばれ、その権利の行使は、その債権を破産裁判所に届け出て債権調査期日において、その調査をうけた上で破産財団から按分的満足を得るという方法で行われます。債権調査とは、届出のあった各債権につき、その有無、金額、優先、劣後等の順位を破産債権者相互間において確定するために破産裁判所が、裁判所指揮のもと、債権調査期日という会合を開いて、管財人、破産債権者および破産者に個々の債権につき意見を述べさせることをいいます。もっとも、破産者の意見は、管財人、他の破産債権者の注意を喚起するのが主たる目的であって破産者の異議は、管財人や債権者のそれのように、破産手続内における破産債権の確定を妨げるという異議本来の効果はなく、ただ破産終結後における債権表の効力に関してのみ意義を有するにとどまります。破産者は異議を述べないと債権表の記載は破産者に対しても確定判決と同一の効力を有し、債権者は破産終結後、 それにもとづいて強制執行をすることができるのでその点に関する破産者の利益を守るためです。免責制度の採用されている現行法においては実際上大きた意義は有しません。つまり債権調査というのは、不正不当な債権行使を排除し、多数債権者の公平な満足を期するところの、破産法独特の制度です。

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債権調査の期日には、一般期日と特別期日の二種があります。いずれも破産裁判所によって指定されます。一般的期日とは、届出債権について、一般的かつ共通的に定められる期日で、破産宣告と同時に指定され、かつ公告されます。特別期日は、届出期間後に届け出たため、一般期日には調査を受けることができなかった債権を調査するために特別に開かれる期日です。この点、会社更生法も同様の取扱となっています。特別期日は、必要のあるごとに指定しますが、その決定は公告し、かつ管財人、届出債権者および破産者に送達することを要します。調査期日の変更、延期および続行についても同様ですが、その決定を期日で言い渡したときは、公告や送達は不要です。そして、これら期日の指定、続行などの裁判に対しては不服申立は許されません。
破産者は、法律上当然の義務として、調査期日に出頭して、意見を述べることを要します。破産債権については、破産者が誰よりもその内容について、詳しいからです。したがって、その引致を命じることもできます。届出債権者は、任意に、本人または代理人が出頭して、意見を述べることができます。管財人は、調査についても主任機関なのでその出頭が是非必要で、管財人の出頭がないと、調査を実施できません。
調査期日は、裁判所で開かれ、かつ裁判所がこれを指揮します。しかし、債権者集会のように、一定の事項について決議をするのではなくて、出頭した関係人が、各自の立場から属出債権につき意見を述べ合うだけです。破産裁判所としては、破産債権の届出が破産法二二八条所定の方式をみたしているか否かの形式的な審査はできますが、その内容の当否に関する実質的な判断を下す何らの権限もありません。裁判所は円滑な進行の為の交通整理の役目に止まります。むしろ、債権調査ということは、不当な権利行使を企てる債権者を破産管財人、破産債権者、破産者でもって確認しあうことです。
調査の対象になるのは、届出のあった各債権に関し、その債権がそもそも存在するかどうか、いいかえると、その債権が発生し、かつ弁済などですでに消滅していないかどうかの債権の在否。その債権が届け出られたとおりの債権額であるかどうか。さらには、金銭債権以外の債権については、届出人のした評価算定が妥当であるか否かの債権の額。優先的債権であることが主張されているときは、その優先権の存否、また当該届出債権が劣後的部分を含むときは、その区分が正当になされているか否かの債権の順位の区分。別除権者の主張する予定不足額の当否。その債権が、はたして破産債権としての適格性を有するや否や、即ち破産債権は破産者に対する請求権であること、財産上の請求権であること、破産宣告前の原因にもとづいて生じた請求権であること、強制執行できる請求権であることがその適格性です。以上の点について、調査が行われます。
債権調査期日における異議。異議とは、債権調査期日に届出債権が前述のいずれかまたはすべての要件が欠けることを、破産裁判所に対し陳述する訴訟行為です。期日に出頭した管財人、届出債権者および破産者は、それぞれの立場から届出債権に対して異議を述べることができます。管財人は、破産債権者の利害の公正な調整者としての中立的立場から、各届出債権に関し、前記の調査事項の全部について、異議を述べることができ、また調査を尽くしてこれを述べなければなりません。債権者は、届出債権について一般的には調査能力を有しないからです。
届出破産債権者は、各自の固有の立場から、互いに他に対して異議を述べることがでぎます。届出債権者の異議は、異議者の債権に対して異議がなかったことを前提とはしません。破産者も異議を述べることはできますが、異議の範囲は届出債権者の原因ならびに額にのみかぎられます。破産者の異議の有無は破産終結後にしか意味を有さないからです。いずれにせよ、異議はその趣旨を明らかにして、これをなすことを要します。異議の理由を述べることは、不必要な債権確定訴訟を避ける点で、望ましいことではありますが、異議の効力には関係がありません。異議のあった債権の債権者が期日に出頭していなかった場合には、裁判所は、具議のあった旨をこの者に通知しなければなりません。調査の結果異議があれば、裁判所は、何びとからいかなる趣旨の異議があったかの、異議者と異議内容とを債権表に記載することを要します。

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