封印執行と帳簿閉鎖

破産財団に属する財産に対する封印執行は何時どのような方法により実施されるのでしょうか。そして破産者の各種の帳簿の閉鎖は何時どのような方法で実施されるのでしょうか。封印とは、形式的には、物の変更、散逸脱漏等を防止するために、法定の封印機関が特定物件に、破産管財人の占有に属することを公示するために施す押印または印影であると解せられます。このような形式が、破産管財人の行なう具体的管財行為の一方法として定められているのは、すでに述べられたように、破産管財人がその占有管理権にもとづいて破産財団に属する財産を占有し管理する場合に、現実にはすべての財産を自己の完全な所持に移すことは不可能であるため、そうした場合には、当該物件が破産管財人の占有に属する事実を公示して、第三者に対抗するためです。

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破産法一八六条一項には破産管財人必要と認むるときは封印を為さしむることを得、と定めて、封印要否の判断、封印時期の決定等はすべて破産管財人に任せています。
破産管財人が自主直接に占有し得る物件は、管理の方法が問題となるだけで、第三者に対する対抗方法としての封印の必要は生じません。これに対して、一般には直ちに破産管財人が直接占有し得ない物件については、封印することを要します。
封印は、破産管財人として就任後直ちに行うべきです。したがって、破産管財人はあらかじめ封印前の準備を要しますが、ある財産が破産財団に属することが後刻に判明した場合や、当初何らかの理由で封印執行を猶予していた財産で封印の必要が生じた場合には、その時点で封印を執行します。
封印は、個々の物件に封印票を貼付して行うのが一般です。封印の対象物が多数で、これらが一定の器物や建物に収容されている場合には、一括して可ての器物、建物の開閉部分に封用票を貼付し、また対象物に柵、囲縄を施して一括封印を表示するなど、物の性質、状態に応じた方法で行われます。例えば、机、椅子、テレビ、ピアノ、自動車等には、それぞれ封印票を貼付します。
製品、材料等の格納された倉庫には扉に封印票を貼付して一括封印します。
工場等に多種多様な物件が散在するような場合には、囲縄しまたは公示札を立てる等の方法も行われます。封印の対象については、破産法は別段法定していないので、有体動産にかぎるとする根拠はありませんが、通常は有体動差が対象です。
封印した物件が実は第三者の権利に属していることが判明したような場合には、破産管財人は、封印機関に封印の徐去を申し立てて封印を除去させることになりますが、この場合、封印に異議のある者が、封印機関に直接除去を求めても除去はできません。これは、封印の要否の判断が破産管財人に任せられていることからも当然です。除去の要領は、破産管財人の指定する物件について、封印票が貼付されているときは、これを取り除き、柵、囲縄を施してあるときは、これを取り去ればよく、他に何らの行為も要しません。なお除去の申立ては、必ずしも先に封印をした機関にする必要はありません。
封印を執行した場合および除去した場合には、執行をなした者は、いつ、いかなる場所で、いかなる財産に対し封印したかを明らかにするため、調書を作成すぺきものとされています。破産管財人は、封印を執行した際には、調書謄本を破産裁判所に提出すべきものとされています。
帳簿閉鎖の目的は、破産宣告後における破産者の財産帳簿への記入を禁止して、帳簿の現状を確保し、破産管財人のなす財産管理、債権調査等の職務遂行の便をはかるためです。
帳薄閉鎖は、裁判所書記官が、破産宣告後直ちになすぺきものとされていますが、もともと帳簿の確保は、破産管財人によってなされるものであるため、実際は破産管財人からの要請があって初めて開鎖を行うことになります。したがって、閉鎖の時期は必ずしも常に宣告後直ちに行われるわけではありません。
閉鎖を実施する場所は、帳簿の所在する場所て適宜行います。破産管財人が破産裁判所に持参してする場合、破産管財人の事務所でする場合、破産者の営業所、事業所が各地に分散している場合には、破産裁判所の書記官が現地に出張して、封印執行と併せて帳簿の閉鎖をも行います。また、帳簿の所在地を管轄する地方裁判所の書記官に嘱託してすることもできます。

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