損害賠償のルール

不法行為が成立すると損害賠償請求権が生じます。被害者は加害者に対して損害の賠償を請求できるわけですが、どの程度の損害をどのような方法で請求するのかでは、民法上のルールでは、損害賠償の方法は原則として金銭賠償になります。財産的損害はもちろん、精神的損害も金銭賠償、慰謝料ということになります。しかし、名誉毀損の場合など例外的に、新聞に謝罪広告を出させるなど原状回復、つまり名誉を回復するに適当な処分を命じることができます。損害賠償義務は不法行為の時から遅滞となり、賠償金には年五分の法定利息が付けられます。

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不法行為によって生じた損害の賠償すべき範囲は、債務不履行の場合と同様に、加害行為と相当因果関係に立つ損害の全部です。もちろんそれは財産的損害にかぎらず精神的損害も含まれます。生命侵害の場合の損害、逸失利益や精神上の損害、慰謝料などは、実際上その算定は困難であり、様々な算式が考案されていますが、生命侵害の場合のホフマン式では推定生存年齢までの被害者の推定収入からその人の生活費および中間利息を控除する方式など、被害者保護の立場に立って、具体的事情を考慮して決めることが望ましい。近年では、損害の定型化、賠償額の定額化が図られています。
損害賠償の額を定めるについて、損害の発生につき被害者側に過失があるときは、過失相殺として、裁判所はこれを斟酌することができます。例えば、運転手の過失によって人を轢いたが、被害者側にも信号無視という不注意があった場合や、自動車に轢かれて入院中被害者が医師の指示に従わなかったために悪化したような場合には、過失相殺として賠償額が減額されるのです。これは損害の分担を公平にするという趣旨のものですが、債務不履行の場合のように、責任まで相殺によって無とすることは許されません。
不法行為に基づく損害賠償請求権については、胎児は既に生れたるものとみなされて、その請求権が認められ、加害者をして現実に賠償させて被害者の救済に万全を期するために、損害賠償請求権に対しては相殺が禁止されています。なお、この損害賠償請求権については、特別の消滅時効が認められていることに注意する必要があります。損害または加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年です。20年は除斥期間と解すべきです。

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