不動産競売における用益権

不動産につき抵当権の登記があり、これに後れる借地権者がある場合、借地権者は、抵当権の不存在を主張して抵当権の実行を阻止できるでしょうか。できるとすれば、どのような方法によるべきでしょうか。同じ情況のもとで、一般債権者からの申立てによる強制競売が行なわれているときはどうでしょうか。この場合、借地権者は、抵当権不存在確認の訴えを本案とする抵当権実行禁止の仮処分または競売手続停止の仮処分により、抵当権の実行を阻止できます。一般債権者の申立てによる強制競売はこれを阻止できませんが、訴えを本案とする民訴法七六○条の仮処分により、あらかじめ権利を保全することができます。

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地上権、地役権等の用益物権または民法六○二条の期間をこえる賃借権が設定されている不動産につき競売が開始された場合、法定売却案件としてこれをどう扱うかについては、次のような見解の対立があります。
まずこれまでの判例通説は、強制競売であれ任意競売であれ、当該用益権が競売申立債権者に対抗できるか否かを基準とし、これに対抗できるときは一応競落人に対抗できますが、それのみでは決まらず、目的不動産上に競売によって消減すべき抵当権、先取時権がある場合は、そのうちの最先順位の権利に対抗できなげれば競落人に対抗できないとしています。つまり競売により消滅する抵当権、先取特権に優先する用益権、および権利がない場合における競売申立債権に優先する用益権は、いずれも競落人がこれを引き受けが、それ以外の用益権は、競売により消滅するとするのです。この立場によると、一番抵当権と二番抵当権の中間に借地権等の用益権がある場合、この用益権は、誰が競売申立債権者になっても、その不動産は一番抵当権設定当時の権利状態で競売に付されるのであるため、いずれも競落人に対抗することができないとされています。
これに対し別説では、第一原用は是とするものの、第二原用は民訴法六四九条二項、競売法二条二項にいう削除主義の理解を誤ったものとして反対しています。つまり競売はあくまで競売申立債権者の権利を満足するため行なわれるのであり、ただその際、目的不動産上に存する担保物権をどう処理するかという観点から消除主義が問題になるために、競落人の取得する目的不動産がいかなる権利を負担するかは、競売申立債権者の権利との優劣関係を基準として決せらるべきであるとしています。この立場によると事例の場合、この用益権は、先順位者たる一番抵当権者が競売申立をしたときは競落人に対抗することができませんが、後順位者たる二番抵当権者または一般債権者が競売申立てをしたときは、一番抵当権は消滅するものの用益権は消滅せず、これをもって競落人に対抗できるとするのです。

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